注意障害に対する作業療法【症状の概要と評価・解釈について】

こんにちは、カピまるです。

今回は、「注意障害に対する作業療法」をテーマに解説していきます。

カピまる
カピまる

リハビリテーションとも関わりが

深い障害の1つだよね!

N君
N君

症状の概要や評価法について

くわしく教えてください!

本記事では、こうしたご意見にお答えしていきます。

  • 注意障害の概要について勉強したい
  • 具体的な評価方法について知りたい
  • 現在、注意障害の方と関わる機会がある

上記に該当する方は、ぜひ最後までご覧いただき、今後の学習に役立てて下さい。

↓↓注意障害について、その他の記事もあわせてご覧下さい↓↓

↓↓各種評価方法については、以下の記事をご覧ください↓↓

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注意障害の定義

カピまる
カピまる

そもそも『注意』って

何を意味するの…?

◎『注意』とはそもそも何?

注意とは、感覚受容器(視覚や触覚、聴覚等)を通して入り込む感覚情報から、特定の必要・重要な情報を選択している状態を維持する働きのことです。

つまり、対象に意識を集中させ、持続させる機能を意味します。

「注意」≒「集中力」と置き換えると理解しやすいかもしれません。

カピまる
カピまる

長い時間集中出来ないなぁ。

見落としや間違いばかり…

ミスが減らないなぁ。

こうした状態は、一種の注意( ≒ 集中力 )が低下した状態』と言えます。

◎注意機能の分類

注意機能は、一般的に

  • 全般性注意機能( generalized attention )
  • 空間性注意機能( spatial attention )

の2つに分類されます。

全般性注意機能( generalized attention )

全般性注意機能は、その名のとおり注意機能全般のことを意味しています。

さまざまな課題を達成するために必要とされる意識水準を、一定に保つ機能を持ちます。

全般性注意機能は、以下のように分類されています。

段階機能
注意の焦点化(感度)特定の感覚刺激に直接反応する機能
注意の維持(持続性)連続あるいは繰り返して一貫した反応を行う機能
選択的注意(選択性)干渉刺激がある場合に行動および認知的構えを維持出来る機能
注意の切り替え(転換性)異なる認知的課題や講道館で注意の集中を移動出来る機能
注意の分割(配分性)複数の課題や認知的要求に同時に対応出来る機能

5つの機能は階層性を有し、下位の注意機能が上位の注意機能の基礎となります。

空間性注意機能( spatial attention )

空間性注意機能とは、外界と自分との空間的関係における注意のことです。

視覚(認知)と運動(反応)と密接に関わっているとされています。

◎注意障害の定義

注意障害とは、日常生活場面で必要とされる注意機能が低下した状態のことです。

先ほど注意機能は、

  • 全般性注意機能( generalized attention )
  • 空間性注意機能( spatial attention )

の2つに分類されると述べましたが、注意障害はこのうち全般性注意機能の障害を意味します。

注意機能は記憶機能と並び、人の高次脳機能の基盤をなす機能です。

障害されてしまうと、高次脳機能にさまざまな影響が出てしまう可能性があります。

注意障害の分類

では次に、注意障害の分類について解説します。

◎持続性注意の障害

持続性注意が障害されると、集中力が続かないといった症状が見られます。

単純な課題であっても長時間続けられず、別のことに意識が向いてしまったりします。

症状例
  • 単純な課題を続けられない
  • 時間が経つにつれて見落としや誤りが増える
  • 物事に取り組んでいる途中で眠くなってしまう

◎選択性注意の障害

選択性注意は、しばしば「カクテルパーティー効果」とも呼ばれます。

これは、立食パーティーで騒がしい状況の中でも、特定の人達の会話に耳を澄ませ、それを聞き取ることが出来る機能を意味します。

選択性注意が障害されると、ターゲットとする刺激と外部からの干渉刺激との区別が困難になり、注意が散漫になってしまいます。

症状例
  • 騒がしい環境の中では、会話に集中できない
  • コンビニ等で並んでいる商品の中から、特定の物を見つけられない
  • 駅や街中で待ち合わせをすると、友人を見つけられない

◎転換性注意の障害

転換性注意とは、特定の課題に向けて注意を維持している状態でも、周囲に対しても意識を向け、場合によっては注意の対象を変更する機能のことです。

障害された場合、こうした注意の切り替えが困難になる症状が見られます。

また反対に、過剰に注意が転換してしまう症状が出現することもあります。

症状例
  • 1つの課題に集中してしまい、他の課題が手付かずになってしまう
  • 周囲の状況に意識が向かず、自己中心的な行動を取ってしまう
  • 注意の転換が過剰に行われると、注意が散漫になってしまう

◎配分性注意の障害

配分性注意が障害されると、複数の刺激に対して同時に注意を向けられなくなります。

1つの課題や検査では問題が無くても、2つの課題や検査を行った際に、配分性注意の障害が発見されることがあります。

症状例
  • 一度に複数の品物の調理が行えない
  • 自動車を運転している際に、周囲の状況に意識を向けられない
  • 電話をしながら、メモを取ることができない

注意障害の評価

注意障害に対して用いられる評価尺度は、主に以下のとおりです。

注意機能評価尺度
持続性注意CPT( Continuous Performance Test )
PASAT( Paced Auditory Serial Addition Test )
Trail Making Test ( Part A, B )
末梢課題(文字、記号等)
選択性注意仮名拾いテスト
AMM( Audio-Motor Method )
Stroop Test
上中下テスト
PASAT
Trail Making Test
末梢試験
転換性注意Trail Making Test( Part A, B )
SDMT( Symbol Digit Modalities Test )
Memory Updating Test
配分性注意2つの注意課題を同時に実施することで評価する
( ex. PASATとTrail Making Test Bを実施する )

全般性注意障害を総合的に評価する指標として、標準注意検査法( Clinical Assessment for Attention:CAT )が広く用いられています。

CATの評価項目は、以下のとおりです。

  • Span(視覚性、聴覚性)
  • 末梢課題(視覚性、聴覚性)
  • SDMT( Symbol Digit Modalities )
  • Memory Updating Test
  • PASAT( Paced Auditory Serial Addition Test )
  • Position Stroop Test
  • CPT( Continuous Performance Test )

評価にやや時間を要しますが、全般性注意機能が網羅された評価となっています。

↓↓評価の概要については、こちらをご覧ください↓↓

評価を実施する際の注意点

評価を実施する際の注意点は、以下のとおりです。

  • 外的刺激が少ない静かな個室で実施する等、環境面へ配慮する
  • 眠気に影響されないように、覚醒している時間帯に行う
  • 理解しにくい課題も含まれるため、口頭指示の仕方に配慮する

◎環境面への配慮は欠かさずに!

上記の注意事項の中で特に注意が必要なのは、環境面についてです。

評価結果に大きく作用し、その後の治療計画に大きく影響する可能性があります。

外的刺激が少ない静かな個室で実施するよう、徹底しましょう。

また使用する課題の中には、マニュアル通りでは伝わらないものも含まれます。

自分の中で検査内容をしっかりと理解し、分かりやすく伝える努力をしましょう。

さいごに

本記事では、『注意障害に対する作業療法』をテーマに解説しました。

注意障害は臨床場面で関わる機会が非常に多いため、今一度しっかり復習しておきましょう。

本記事を、今後の生活や学習に活用していただければ幸いです。

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