こんにちは、カピまるです。
今回は、前回の記事の続きとして、症状や原因についてもう少しまとめていきます。
↓↓前回までの記事は、以下からご覧下さい↓↓
↓↓脊柱管狭窄症に関する記事は、以下をご覧ください↓↓

椎間板ヘルニアは、腰椎と頸椎で多いんだったよね!
本記事では、頸椎・腰椎椎間板ヘルニアの症状の概要と原因について、分かりやすくまとめていきます。
是非最後までご覧いただき、今後の学習に役立てて下さい。
※前回までの復習

まず初めに、
- 椎間板の概要
- 椎間板ヘルニアの概要
の2点について復習しておきます。
復習①:椎間板の概要
椎間板とは、以下の赤〇部分のことです。

椎間板は、図のように脊柱を構成している1つ1つの骨の間に存在している線維軟骨です。
ゼラチン状の髄核とコラーゲンを含む線維輪で構成されており、椎骨にかかる衝撃を吸収する役割を担っています。
復習②:椎間板ヘルニアの概要
椎間板ヘルニアは、何らかの原因で椎間板の髄核が突出し、神経根や脊髄を圧迫することで生じます。
これによって炎症反応が引き起こされ、複合的に神経症状を引き起こします。
また椎間板は、他の臓器に比べて早期から変性しやすいという特徴があります。
一般的には、20歳代後半から変性が起きるとされています。

20歳後半なんて、決して他人事じゃないね!
頸椎椎間板ヘルニアの概要

頸椎椎間板ヘルニアの概要について、以下にまとめます。
項目 | 各種内容 |
好発年齢・好発部位 | ・30~50歳代男性 ・下位頸椎(C4/C5、C5/C6) |
概要 | ・線維輪や軟骨終板の脱出 ・腰椎より発生頻度は少ない ・神経根障害が多い |
原因 | ・加齢による退行性変性 ・遺伝的素因 ・喫煙 |
主な症状 | ・後頚部痛 ・頸部の可動域制限 ・一側上肢の強い放散痛、しびれ ・脱力感 ・手指の巧緻運動障害 ・四肢の感覚障害 ・歩行障害 ・(重度の場合)膀胱直腸障害 |
評価方法 | ・Jackson(ジャクソン)テスト ・Spurling(スパーリング)テスト |
治療方法 | 〇保存療法 ・薬物療法 ・神経ブロック ・頸椎カラー ・物理療法 〇手術療法 ・前方除圧固定術 ・内視鏡下椎間板切除術(MED) |
頸椎椎間板ヘルニアは、頸椎の椎間板の髄核が突出し、神経根や脊髄を圧迫する疾患です。
主なポイントは、以下のとおりです。
- 30歳~50歳代の男性で多くみられる
- 主な原因は、遺伝的素因、加齢、喫煙
- 主な症状は、一側上肢の放散痛
- 頸部の後屈時に症状が強まり、可動域制限を伴う
椎間板ヘルニアは加齢による退行性変性による影響を受けますが、変性が高度に進行すると、かえって突出しにくいとされています。
そのため高齢者での発症は比較的まれで、30歳~50歳代で好発します。
腰椎椎間板ヘルニアの概要

次に、腰椎椎間板ヘルニアの概要について、以下にまとめます。
項目 | 各種内容 |
好発年齢・好発部位 | ・20~40歳代男性 ・下位腰椎(L4/L5、L5/S1) |
概要 | ・比較的若年者で発症する ・椎間板ヘルニアでは最多 ・神経根障害が多く、馬尾障害は稀 |
原因 | ・重量物の持ち上げ ・スポーツ ・肉体労働 ・外傷 ⇒力学的負荷の増加が主な原因 |
主な症状 | ・腰痛 ・腰部の可動域制限 ・一側下肢の放散痛(座骨神経痛)、感覚障害 ・脱力感 ・会陰部のしびれ ・灼熱感 ・膀胱直腸障害 ・神経性間欠性跛行 |
評価方法 | ・下肢伸展挙上テスト(SLRT) ・大腿神経伸展テスト(FNST) |
治療方法 | 〇保存療法 ・薬物療法 ・神経ブロック ・腰椎コルセット ・物理療法 〇手術療法 ・ヘルニア摘除術(Love法、micro Love法、MED) |
腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎の椎間板の髄核が突出し、馬尾や神経根を圧迫する疾患です。
主なポイントは、以下のとおりです。
- 20歳~40歳代の男性で多くみられる
- 主な原因は、力学的負荷の増加(肉体労働、スポーツなど)
- 主な症状は、一側下肢の放散痛や腰痛など
- 咳やくしゃみ、排便時のいきみよって症状が強まる(デジェリーヌ徴候)
- 前屈時に症状が強まるため、腰部脊柱管狭窄症との鑑別に有用
頸椎椎間板ヘルニアと同様に、治療方法としては保存療法が第一選択となります。
しかし急激な運動麻痺や膀胱直腸障害など、重度の馬尾症状を呈する場合は、早急な手術療法を検討する必要があります。
椎間板ヘルニアの分類

椎間板ヘルニアは、髄核の脱出の程度によって4つに分類されます(Macnabの分類)。
分類 | 概要 |
髄核膨隆 | ・髄核の全体または一部の膨隆 ・線維輪の断裂なし ・後縦靭帯の穿破なし |
髄核突出 | ・髄核の突出 ・線維輪の部分断裂 ・後縦靭帯の穿破なし |
髄核脱出(後縦靭帯下型) | ・髄核の突出 ・線維輪の完全断裂 ・後縦靭帯の穿破なし |
髄核脱出(後縦靭帯外型) | ・髄核の突出 ・線維輪の完全断裂 ・後縦靭帯の穿破あり |
髄核分離 | ・髄核の遊離、脊柱管への移動 ・線維輪の完全断裂 ・後縦靭帯の穿破あり |
※腰椎椎間板ヘルニアとMacnabの分類については、こちらのページでも紹介されています。
さいごに
本記事では、頸椎・腰椎椎間板ヘルニアの
- 症状の概要
- 原因
- 分類方法
についてまとめました。いかがでしたでしょうか。
前回までの記事と併せて、今後の学習に役立てていただければ幸いです。
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