認知症の種類と原因、症状【作業療法士が解説します】

こんにちは、カピまるです。

今回は、『認知症の種類と原因、症状』をテーマに解説していきます。

カピまる
カピまる

日本のような超高齢社会では、

避けては通れない大きな問題だね…。

N君
N君

基本的な内容について、

今一度確認しておく必要があるね!

本記事では、主に

  • 認知症と物忘れのちがい
  • 認知症の種類
  • 主な中核症状

の3項目について、詳しくまとめていきます。

  • 認知症と物忘れのちがいについて知りたい方。
  • 認知症の種類や症状について、詳しく勉強したい方。

上記に該当する方は、ぜひ最後までご覧いただき、今後の学習の参考にして下さい。

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そもそも認知症とは?

認知症は、以下のように定義されています。

”生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することによって、日常生活・社会生活を営めない状態のこと”

つまり、後天的原因によって生じる知能障害であり、知的障害(精神遅滞)とは異なります。

認知症では、記憶力や判断力の低下に加えて、身体機能面にも悪影響が及びます。

最悪の場合、寝たきり状態になってしまうこともあります。

◎物忘れと認知症の違いについて

カピまる
カピまる

約束の時間をうっかり忘れちゃった…

N君
N君

どこかにモノを忘れてしまったよ…

このようなことは、誰しも1度は経験したことがあるのではないでしょうか。

これは認知症ではなく、単なる『物忘れ』です。

認知症の場合は、『約束をしたこと』『モノを持ってきたこと』それ自体を忘れてしまいます。

そのため、モノを盗られたと思い込んでしまうのはこのせいです(モノ盗られ妄想)

認知症の種類

認知症は、主に以下の4種類に分類されます。

  • アルツハイマー型認知症
  • 脳血管性認知症
  • レビー小体型認知症
  • 前頭側頭型認知症

それぞれの構成割合は、以下のようになります。

上記の4つの認知症によって、認知症全体の約9割を占めています。

それぞれの概要について、順番に解説していきます。

◎アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、アルツハイマー病によって引き起こされる認知症です。

40歳以上に発症し、『遺伝素因』『女性』といった危険因子が報告されています。

症状の特徴としては、

  • 緩徐に進行する記憶障害
  • 失語
  • 失行
  • 失認

などが生じます。

これらに加えて、妄想、幻覚、徘徊、暴力といったBPSD(周辺症状を伴います

BPSD(行動心理学的症状)
  • 認知症の周辺症状とも呼ばれている。
  • 社会への適応に障がいをもたらし、様々な負担を与える重要な症状の1つ。
  • 妄想、幻覚、抑うつ、脱抑制、異常行動、暴言・暴力等、多彩な症状が含まれる。

◎脳血管性認知症

脳血管性認知症は、主に脳血管障害によって認知症が引き起こされます。

認知症を呈するのは、主に以下のような場合の時です。

  • 記憶障害を発症する部位を含んだ脳損傷がある場合
  • 再発あるいは脳血流量の低下によって段階的に複数の部位の損傷を受けた場合

全ての脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が認知症を呈するわけではありません

脳血管性認知症の症状は高次脳機能障害が中心で、妄想や幻覚といったBPSDの陽性症状は見られないことが多いです。

◎レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、老年性の神経変性疾患の1種です。

認知症を呈する変性疾患としては、アルツハイマー病に次いで多くみられます。

脳の加齢に伴う変化が原因とされているため、70代以降の高齢者に多く発症します。

大脳を含む中枢神経にレビー小体という円形の構造物が多数出現します。

特徴
  • 高次脳機能障害に加えて、パーキンソニズムと幻視を伴う。
  • 初期段階では、うつ病と間違って診断されることも多い。
  • 興奮し、錯乱状態になる等、精神状態が大きく変動する場合がある

◎前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉や側頭葉が萎縮してしまうことで引き起こされる認知症です。

常同行動や脱抑制など行動障害を主症状とする変性疾患で、記憶障害は比較的軽度です。

この行動異常は、

  • 放火
  • 窃盗
  • ひき逃げ

としても表れることがあり、反社会的行動とも呼ばれています。

◎◎疾患ごとの症状の特徴まとめ

それぞれの疾患ごとに、症状の特徴を以下にまとめます。

アルツハイマー型認知症脳血管性認知症レビー小体型認知症前頭側頭型認知症
高次脳機能障害進行性の記憶障害
失語
失行
記憶障害
損傷部位に応じた
症状
進行性の記憶障害
失語
失認
軽度の記憶障害
遂行機能障害
BPSD など妄想
幻覚
徘徊
抑うつパーキンソニズム
幻視
抑うつ
常同行動
脱抑制
反社会的行動

◎◎認知症と関連する脳部位まとめ

認知症に関連する脳部位は、以下の表のとおりです。

認知症の種類脳損傷部位症状
アルツハイマー型認知症側頭葉~頭頂葉記憶障害…覚えられない
見当識障害…日時や場所が分からない
脳血管性認知症前頭葉実行機能障害…順序立てて考えられない
うつ状態
尿失禁
レビー小体型認知症後頭葉幻視
パーキンソニズム
前頭側頭型認知症前頭葉~側頭葉行動面や言動面で著明な変化が見られる

認知症の主な中核症状

周辺症状(BPSD)は、脳の障害によって生じる精神症状や行動異常のことを指します。

一方で、中核症状とは、脳神経細胞の破壊によって引き起こされる症状のことです。

認知症の中核症状としてよく見られるのは、以下の4つです。

  • 記憶障害
  • 見当識障害
  • 失認・失語・失行
  • 実行機能障害

それぞれについて、順番に解説していきます。

◎記憶障害

記憶障害は、特にアルツハイマー型認知症で起こることが多いです。

健忘は前向性健忘(それ以降の新たな出来事を忘れてしまう)が多く見られますが、症状が進行すると逆行性健忘(過去の出来事を忘れてしまう)も呈するようになります。

疾患別の特徴としては、

  • 脳血管性認知症…エピソードの一部を思い出すことができない
  • アルツハイマー病等の変性疾患…エピソードそのものを忘れてしまう

そのため、アルツハイマー病の方が日常生活に大きな影響を与えるとされています。

◎見当識障害

見当識障害では、主に時間・場所の見当識が障害されます。

時間や場所の見当識が障害されると、

  • 日にちや時間が分からなくなる
  • 昼と夜の区別ができなくなる
  • 自分がどこにいるのか分からなくなる

といった症状があらわれます。

これらは、いずれも徘徊などのBPSDの原因となり得るとされています。

◎失認・失語・失行

失認では、

  • 身体の状態について把握できない
  • モノとの位置関係がつかめない
  • 目の前のモノが何か、認識することができない
  • 実際に触れてみても、何か分からなくなる

といった症状があらわれます。

失行では、

  • 身体に障がいが無いのに、モノをつかめない(肢節運動失行)
  • 服の着方、道具の使い方が分からない(観念運動失行)
  • 使い方は分かるのに、一連の動作ができない(観念失行)

といった症状があらわれます。

失語では、

  • 意味のある言葉を話せない(ウェルニッケ失語)
  • しゃべりたい言葉を話せない(ブローカ失語)

といった症状があらわれるため、言葉の意味が理解できなくなります。

◎実行機能障害

実行機能障害では、物事を順序立て実行する能力が失われてしまいます

計画に基づいて準備・実行する能力、すなわち「段取り」機能が障害されてしまうのです。

  • アルツハイマー型認知症
  • 脳血管性認知症
  • 前頭側頭型認知症

といった、多くの認知症の初期段階から顕著に症状としてあらわれます。

実行機能障害では、

  • 手順や工程が多い活動ができなくなる(買い物・食事)
  • 指示を受けないと行動することができない

といった症状があらわれるため、日常生活に大きな影響を及ぼします。

さいごに

本記事では、『認知症の種類と原因、症状』をテーマに、

  • 認知症と物忘れのちがい
  • 認知症の種類
  • 主な中核症状

の3項目について解説しました。いかがでしたでしょうか。

本記事を、今後の生活や学習に役立てていただければ幸いです。

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