【作業療法士が徹底解説】フレイルとは?【定義、診断基準について】

こんにちは、カピまるです。

今回は、高齢者の健康生活に関係が深い「フレイル」をテーマに解説します。

カピまる
カピまる

フレイルって言葉、最近よく聞くようになったね。

でも、あんまり詳しいことまで分からないなぁ…

N君
N君

歳を取ることと関係がありそうだけど…

具体的には、どんな状態なんだろう?

本記事では、主に

  • フレイルの語源
  • フレイルの概要
  • 主な原因
  • 具体的な診断基準

の4項目について、それぞれまとめていきます。

  • フレイルの基礎的内容について学びたい方
  • 具体的な判定基準を知り、実践したい方

上記に該当する方は、ぜひ最後までご覧いただき、今後の学習に役立ててください。

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フレイルの語源

フレイルとは、老年医学分野で使用される「frailty」が語源とされています。

これを日本語訳すると、「虚弱」「衰弱」「老衰」といった意味になります。

カピまる
カピまる

身体機能が低下して、弱った状態のことだね!

一方で、高齢者が要介護とならないように予防していくことを目的とする概念も含まれます。

日本では、早期発見・早期支援により、多くの高齢者の生活機能の維持・向上を目指し、平成26年よりこのフレイルという概念が日本老年医学会により提唱され普及してきました。

フレイルの概要

次に、フレイルの概要について解説していきます。

◎人間の予備能力について

まずはじめに、人間の予備能力(予備力)についてです。

  • 体力・生理機能の最大能力と、日常場面での能力の差のこと。
  • 高齢者は日常生活に必要な体力はあるが、余力がない状態の方が多い。
  • 予備能力が低下すると、さまざまな環境の変化に対応できなくなる。
  • 身体の回復にも時間がかかり、症状が慢性化しやすくなる。

人間の予備能力というのは、

  • 高血圧
  • 糖尿病

といった、生活習慣や加齢に伴う『慢性疾患』と、

  • 認知機能障害
  • 嚥下障害
  • サルコペニア(筋力低下)

といった、『老年症候群』が相互に影響し合い、加齢とともに徐々に低下していきます。

◎フレイルの位置付け

N君
N君

フレイルってどういう状態のことだろう…

健康ではないけど、障害は特にないのかな?

フレイルは、以下のように定義されています。

  • 医学的な症候群
  • 障がいではない
  • 僅かなストレスによって機能障害を生じる可能性がある状態
  • 適切な介入を行うことで、症状の維持・改善が可能な状態
  • 医療従事者がすみやかに気付くべき状態

フレイルとは、「no frailty(健康)」と「disability(身体機能障害)」の中間状態です。

分かりやすく言うと、『加齢によって心身ともに衰えた状態』です。

高齢者の場合、徐々に身体・認知機能が低下し、要介護状態へ推移していきます。

そのため多くの高齢者は、中間段階(フレイル)を経て、disability(要介護状態)へと移行すると考えられています。

◎症状の維持・改善が可能な状態である

N君
N君

フレイルって治るのかなぁ…

みんな要介護状態になっちゃうの…?

結論から言うと、フレイルは適切な治療・介護によって症状を維持・改善できます。

ポイント
  • 高齢者の場合、慢性疾患に加えて老年症候群といった合併症のリスクが伴う。
  • そのため、早期から症状や兆候に気付き、適切な対応を取ることが大切。

『no frailty』⇔『frailty』⇔『disability』のように、3つは可逆的な状態す。

◎日本における要介護状態の主要な原因の1つ

フレイルは、日本における要介護の主要な原因として懸念されています。

2019年度国民生活基礎調査では、「高齢による衰弱」「骨折・転倒」「関節疾患」の3項目で全体の3割以上を占めています。

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年齢による要介護の原因の違いについて、前期・後期高齢者で比べてみます。

前期高齢者では、脳血管疾患の割合が46.5%と最も大きくなっています。

後期高齢者の場合、「高齢による衰弱」「骨折・転倒」「認知症」に占める割合が特に大きく増加しています。

そのため、『加齢に伴う様々な心身の変化』が、フレイル発症の原因とされています

フレイルの原因

ポイント
  • フレイルは、加齢に伴う心身機能や環境の変化など、様々な要因により発症する。
  • 明確な原因があって発症するわけではない。
  • 適切な介入を行わないままだと、状態は悪化し、要介護状態へと移行してしまう。

フレイルの原因となる日常生活の例は、主に以下のとおりです。

  • 身体機能が低下する(筋力の低下⇒歩行速度の低下)
  • 慢性疾患(糖尿病、高血圧、呼吸器・循環器・脳血管疾患等)にかかる
  • 外出する機会が減る
  • 人と交流する機会が減る
  • 認知機能が低下する
  • 疲れやすくなる
  • 体重が減る
  • 偏った食生活となる(低栄養状態)

こうした状態が相互に影響し合い、徐々に心身を衰えさせ、フレイル状態へと移行します。

深刻な要介護状態へ移行させないためにも、適切な早期介入がとても重要となります。

フレイルの診断基準

次に、現在日本で使用されているフレイルの評価基準を以下に紹介していきます。

◎日本版フレイル基準( J-CHS基準 )

評価項目評価基準
1. 体重低下6ヶ月で2kg以上の(意図しない)体重減少
2. 疲労(ここ2週間)訳もなく疲れた感じがする
3. 身体活動量低下①軽い運動・体操をしていますか
②定期的な運動・スポーツをしていますか?
上記の2ついずれも「週に1回もしていない」と回答
4. 歩行速度低下通常歩行速度 1.0m/sec 以下
5. 筋力低下男性 28kg 以下、女性 18kg 以下

この基準では、

  • 3項目以上該当した場合=フレイル
  • 1~2項目該当した場合 =プレフレイル

と定義しています。

◎基本チェックリスト

基本チェックリストは、フレイルの身体的、精神的、社会的側面といった幅広い項目を評価出できる簡易評価法として使用されています。

以下の1から7までのいずれかに該当する場合に『介護支援事業の対象候補』となります。

  1. 1から20までの項目(日常生活全般)のうち、10項目以上に該当する者
  2. 6から10までの項目(運動器の機能)のうち、3項目以上に該当する者
  3. 11及び12の項目(栄養状態)の両方に該当する者
  4. 13から15までの項目(口腔機能)のうち、2項目以上に該当する者
  5. 16が「いいえ」の者(17が「はい」の者も要注意)(社会的機能)
  6. 18から20までの項目(認知機能)のうち、1項目以上に該当する者
  7. 21から25までの項目(心理(抑うつ)機能)のうち、2項目以上に該当する者

さいごに

本記事では、『フレイル』をテーマに、

  • フレイルの語源
  • フレイルの概要
  • 主な原因
  • 具体的な診断基準

の4項目について解説しました。いかがでしたでしょうか。

高齢者本人やその家族だけではなく、フレイルについて理解することは、地域全体で介護予防を促進する上で極めて重要です。

本記事を、今後の生活や学習に役立てていただければ幸いです。

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