高次脳機能障害に対する作業療法【症状と診断基準について】

こんにちは、カピまるです。

今回は、『高次脳機能障害に対する作業療法』をテーマに解説していきます。

カピまる
カピまる

リハビリテーションと関連が深い分野だね!

N君
N君

症状や診断基準について教えてください!

高次脳機能障害は、リハビリテーションと関連が深い分野の1つであり、臨床で関わる機会がとても多いです。

本記事では、

  • 高次脳機能障害の主な症状
  • 診断基準

の2項目を中心に解説していきます。

N君
N君

そもそも高次脳機能って何のことだっけ…?

このような方に向けて、高次脳機能の概要についてもあわせて解説していきます。

スポンサーリンク

そもそも高次脳機能って?

高次脳機能とは、以下のような主観的な心理的過程を意味します。

  • 意識・注意機能
  • 情動機能
  • 概念形成
  • 思考・推論機能
  • 判断
  • 遂行機能
  • 行為の計画

またこれらの機能は、

  • 基盤的認知能力
  • 個別的行動・認知能力
  • 統合的認知能力

という、3つの階層構造を有しています。

それぞれの能力が障害された場合、さまざまな障害・症状が出現します。

基盤的認知能力が障害された場合

  • 意識障害
  • 注意障害
  • 記憶障害
  • 感情機能の障害

個別的行動・認知能力が障害された場合

  • 知覚性認知能力の障害
  • 空間性能力の障害
  • 行為機能の障害
  • 言語機能の障害

統合的認知能力が障害された場合

  • 脳梁離断症状
  • 前頭葉症状
  • 右半球症状

高次脳機能障害の主な症状

高次脳機能障害で生じる症状は、以下のとおりです。

  • 失語症
  • 半側空間無視
  • 記憶障害
  • 注意障害
  • 遂行機能障害
  • 社会的行動障害

失語症

  • 会話することが難しい
  • 言い間違いをすることが多い
  • 言葉の意味が分からなくなる
  • 会話はできるが、相手の話を理解できない

半側空間無視

  • 食事の際、片側だけ食べ残す
  • 片側に置いてあるものにぶつかる

記憶障害

  • 物を置いた場所を忘れてしまう
  • 新しいことが覚えられない
  • 同じまちがいを繰り返す
  • 断片的な記憶しか残らない

注意障害

  • 2つ以上のことを同時に行えない
  • 長時間作業続けられない
  • 単純なミスが多い
  • 気が散ってしまいやすく、集中できない

遂行機能障害

  • 計画を立てて実行できない
  • 臨機応変に対応することができない

社会的行動障害

  • 怒りっぽく、暴力的な一面がある
  • 自己中心的な行動をとる
  • 1つのことにこだわる
  • 人の気持ちが理解できない

高次脳機能障害の特徴

高次脳機能障害の特徴として、以下ことが挙げられます。

  • 多様で複雑な症状が出現する
  • 症状はみえにくく、不安定である
  • 症状の出現が不規則である
  • 認知や意識、注意、記憶の障害など、症状の自覚が難しい
  • 自分のみならず、周囲からも症状が理解されにくい

高次脳機能障害によって出現する症状は、脳の損傷場所や範囲によって異なります。

一概に『高次脳機能障害』といっても、一人ひとり症状は異なります。

カピまる
カピまる

日常生活で困ることも、人それぞれ違うんだ!

高次脳機能障害によって、日常生活において

  • どのような生活場面で、どのような影響が出ているか
  • どのような活動ができない、もしくは制限があるか

さまざまな評価を通して情報を整理し、適切な支援につなげることが大切です。

高次脳機能障害の診断基準

高次脳機能障害の診断基準としては、 国立障害者リハビリテーションセンターが定める基準が用いられています。

診断項目としては、

  • 主要症状等
  • 検査所見
  • 除外項目
  • 診断

の4項目から構成されています。

主要症状等

  • 脳の器質的病変の原因となる事故による受傷や疾病の発症の事実が確認されている。
  • 現在、日常生活または社会生活に制約があり、その主たる原因が記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害である。

検査所見

  • MRI、CT、脳波などにより認知障害の原因と考えられる脳の器質的病変の存在が確認されている
  • あるいは診断書により脳の器質的病変が存在したと確認できる。

除外項目

  • 脳の器質的病変に基づく認知障害のうち、身体障害として認定可能である症状を有するが上記主要症状(I-2)を欠く者は除外する。
  • 診断にあたり、受傷または発症以前から有する症状と検査所見は除外する。
  • 先天性疾患、周産期における脳損傷、発達障害、進行性疾患を原因とする者は除外する。

診断

  • I〜IIIをすべて満たした場合に高次脳機能障害と診断する。
  • 高次脳機能障害の診断は脳の器質的病変の原因となった外傷や疾病の急性期症状を脱した後において行う。
  • 神経心理学的検査の所見を参考にすることができる。
  • なお、診断基準のIとIIIを満たす一方で、IIの検査所見で脳の器質的病変の存在を明らかにできない症例については、慎重な評価により高次脳機能障害者として診断されることがあり得る。

さいごに

本記事では、『高次脳機能障害に対する作業療法』をテーマに、

の3項目について解説しました。

高次脳機能障害と一概に言っても、人それぞれ症状は異なります。

日常生活において、

  • どのような生活場面で、どのような影響が出ているか
  • どのような活動ができない、もしくは制限があるか

さまざまな評価を通して情報を整理し、適切な支援につなげることが大切です。

今回は以上になります。本記事を、今後の生活に役立てていただければ幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました