記憶障害と物忘れの違いについて【結論:全く別物です】

こんにちは、カピまるです。

今回は、『記憶障害と物忘れの違い』について解説していきます。

カピまる
カピまる

記憶障害と物忘れって同じ?ちがう?

似ている気がするけどどうなんだろう…?

タイトルでも述べましたが、結論:記憶障害と物忘れは全く別物です。

そのため支援の仕方も異なるため、両者の違いをしっかりと理解することはとても大切です。

本記事では、

  • 記憶障害の定義
  • 記憶の分類
  • 記憶障害の分類
  • 2つの異なるポイント

の4項目について、それぞれまとめていきます。

ぜひ最後までご覧いただき、今後の学習に役立てて下さい。

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記憶障害の定義

まずはじめに、『記憶障害の定義』について解説します。

記憶障害の定義

記憶障害とは、『それまでに知識や出来事として貯蓄されていた言語や事柄といった情報を思い出せない症状』のことです。

一般的に、記憶は、

  • 記銘(符号化)
  • 保持(貯蔵)
  • 再生(検索)

といった3つのプロセスで構成されています。

プロセス
  • 記銘(符号化)…入力された情報を選択して取り込み、登録する
  • 保持(貯蔵)…登録された情報を必要な時まで保存する
  • 再生(検索)…必要な時に保存された情報を呼び出す

記憶障害とは、このプロセスの一部または全部が障害された状態と捉えることが出来ます。

図示すると、以下のようになります。

記憶の分類について

『記憶』は、主に以下の2つに分類されます。

記憶の分類
  • 記憶内容による分類
  • 保持時間による分類

それぞれについて、順番に解説します。

1.記憶内容による分類

記憶内容については、主に以下の2つに分類されます。

見出し
  • エピソード記憶と意味記憶
  • 陳述記憶と非陳述記憶

自分たちが記憶し、言葉で再生できる情報としては、

  • 日常社会での出来事
  • 自己が経験する出来事
  • 生まれてから現在までに学んできた学習内容や知識

などがあります。

こうした言葉や意識することが出来る記憶を、『エピソード記憶』と『意味記憶』に分類しました。

また、『エピソード記憶』と『意味記憶』を『陳述記憶』とし、これとは別に運動技能や作業の手順といった記憶を『手続き記憶(非陳述記憶)』と定義しました。

1-1.『エピソード記憶』

エピソード記憶とは、過去に起こったあるいは経験した出来事のことです。

分かりやすく言い換えると、「思い出」のことです。

カピまる
カピまる

小学校の遠足で○○農園に行って果物狩りをしたなぁ

カピまる
カピまる

先週家でアップルパイを作ったよ

エピソード記憶には、「時間」と「場所」の情報が含まれています。

1-2.『意味記憶』

意味記憶の対象となる記憶情報は、一般的には「知識」と呼ばれています。

カピまる
カピまる

リンゴは青森県や長野県が産地として有名だよね

カピまる
カピまる

リンゴは生活習慣病の予防にも効果があるみたい

意味記憶とは、こうした「概念」や「知識」を指しています。

1-3.『手続き記憶』

手続き記憶とは、「ある運動パターンが熟練した状態」を指します。

代表的な例だと、自転車の乗り方や泳ぎ方などが挙げられます。

この記憶は、部分的に言語化(陳述する)ことも可能ですが、実演しないと再生することができません。

そのため、「非陳述記憶」とも呼ばれています。

2.保持時間による分類

保持時間による分類では、以下の2種類もしくは3種類に分けられます。

分類①
  • 長期記憶
  • 短期記憶

分類②
  • 瞬時記憶(即時記憶)
  • 近時記憶
  • 遠隔記憶

主に、記銘(符号化)してから再生(検索)するまでの時間の長さで分類されます。

保持時間による分類概要
短期記憶およそ1分程度以内の記憶
長期記憶「短期記憶」以降の期間における記憶
瞬時記憶(即時記憶)数秒程度の非常に短い期間における記憶
近時記憶数分~数日間における記憶
遠隔記憶「近時記憶」以降の期間における記憶

記憶障害の分類

次に、先ほどご紹介した

  • エピソード記憶の障害(健忘)
  • 意味記憶の障害
  • 手続き記憶の障害
  • 見当識障害

の4つについて解説します。

1.エピソード記憶の障害(健忘)

エピソード記憶が障害されると、

  • 過去の出来事を思い出せない
  • 日々の出来事をおぼえられない

といった症状があらわれます。

こうしたエピソード記憶の障害は、『健忘( amnesia )』と呼ばれています。

健忘(amnesia)には、

  • 『逆行性健忘』=発症前のエピソードを思い出せない
  • 『前向性健忘』=発症後のエピソードを新たに記憶できない

↓↓交通事故で受傷し逆向性健忘が生じた場合の例↓↓

N君
N君

どうしてあの場所を通ったんだろう…?

N君
N君

事故より前の日に何してか全然分からない…

2.意味記憶の障害

意味記憶の障害は、主に事物や人についての概念や知識の障害を意味します。

「動物」や「道具」といった具合に、カテゴリーごとに記憶が障害される場合もあります。

意味記憶の障害はエピソード記憶の障害と比べて発症頻度は少ないですが、アルツハイマー病等の疾患では障害される可能性があります。

3.手続き記憶の障害

手続き記憶の障害は、ある動作の運動パターンが障害された状態のことです。

  • 料理の基本的な作り方(手順、包丁の使い方)が分からない
  • 洗濯物の畳み方が分からない
  • 自転車の乗り方が分からない

これは過去に学習した動作の障害であるとともに、新たな動作に対する学習効果が得られないことでもあります。

4.見当識障害

見当識とは、自分自身が置かれている現在の状況を時間的かつ空間的に確かめる機能です。

主に、

  • 時間の見当識
  • 場所の見当識
  • 自分自身についての見当識

3つの見当識があります。

意識障害や認知症によって、特に「時間の見当識」が障害されることが多いです。

まとめ:記憶障害と物忘れの違いについて

繰り返しになりますが、結論:記憶障害と物忘れは全く別物です。

記憶障害と物忘れの違いについて、以下にまとめます。

認知症等による記憶障害物忘れ
原因脳血管疾患や外傷等による脳細胞の死滅
脳の萎縮等
加齢に伴う機能低下
記憶体験した事実自体を一部又は全部忘れる
(それをしたこと自体憶えてない)
一部又は前部忘れる
(思い出せる)
状況の例ご飯を食べたかどうか思い出せない
○○さんと約束したこと自体憶えてない
何を食べたか憶えていない
○○さんと約束したけどそれが何か思い出せない
生活への影響影響が及ぶ場合が多い大きな影響はない
身体への影響記憶機能の低下に加えて、注意や判断機能も低下する記憶機能が低下する
自覚症状なしあり
進行性進行する、持続性進行しない、一過性

カピまる
カピまる

こうして見ると、結構ちがうんだなぁ…

N君
N君

生活への影響の有無がポイントだね!

両者のちがいについては、きちんと整理しておきましょう。

さいごに

本記事では、『記憶障害と物忘れの違い』について、

  • 記憶障害の定義
  • 記憶の分類
  • 記憶障害の分類
  • 2つの異なるポイント

の4項目について解説しました。いかがでしたでしょうか。

両者のちがいについてきちんと整理し、適切なケアやサポートに繋げていくことが大切です。

本記事を、今後の学習に役立てていただければ幸いです。

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