こんにちは、カピまるです。
今回は、「作業療法士と理学療法士の違い」をテーマに解説していきます。

どっちもリハビリに関係する仕事だよね?
何が違うんだろう…?

将来的にどっちを勉強にしようか迷うなぁ…
2つの違いについて詳しく知りたいな!
本記事では、こうした悩みにお答えしていきます。
主に、
- 『作業療法』と『理学療法』について
- 『作業療法士』と『理学療法士』の違い
- 働く環境の違い
の3項目について、詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧いただき、今後の進路などに役立てて下さい。
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『作業療法』と『理学療法』について


そもそも『作業療法』『理学療法』って何だろう…
違いについて解説する前に、まずは両者の概要についてまとめていきます。
◎『作業療法』の概要
作業療法とは、以下のように定義されています。
- 作業療法とは、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助のことである
- 作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す
ここでいう『作業』には、
- 家事
- 仕事
- 趣味
- 遊び
- 対人交流
- 休養
といった、「ヒトが営む生活行為と、そのために必要な心身の活動」が含まれます。
またこうした『作業』に焦点を当てた実践には、
- 心身機能の回復、維持、あるいは低下を予防するための手段
- 作業自体を練習し出来るようにしていくという目的としての作業の利用
- 上記2つを達成するための環境への働きかけ
が含まれるとされています。
作業療法では、こうした活動を通して、
- 基本的動作能力(運動、感覚・知覚、心肺や精神、認知機能)
- 応用的動作能力(食事やトイレ、家事など、日常生活で必要とされる活動)
- 社会的適応能力(地域活動への参加、就労、就学、趣味活動)
の維持・改善を図り、その人らしい生活の獲得を目指します。
◎『理学療法』の概要
理学療法とは、以下のように定義されています。
身体に障がいのある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。
理学療法の直接的な目標は、『運動機能の回復』です
そしてその上で、ADL機能の改善・QOLの向上を目指します。
理学療法の対象となる疾患は、以下のとおりです。
- 中枢神経疾患(脳卒中、脊髄損傷、脳外傷、小児発達障害など)
- 整形外科疾患(骨折、腰痛、椎間板ヘルニア、運動器由来の疼痛など)
- 呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患、肺炎、喘息など)
- 心疾患(心筋梗塞、狭心症など)
- 内科的疾患(糖尿病、加齢による体力低下など)
主に、「運動機能が低下した方」が対象となります。
一方最近では、
- 運動機能低下が予想される高齢者の予防対策
- メタボリックシンドロームの予防
- スポーツ分野でのパフォーマンス向上
といったように、障がいの有無に関わらず、健康な人々に対しても広がりつつあります。
『作業療法士』と『理学療法士』の違い


作業療法と理学療法について、理解できたよ!
それを踏まえて、2つの違いについて教えて欲しいな!
それぞれの職業の特徴について、順に解説していきます。
◎『作業療法士』とはどんな職業?
『作業療法士』とは、以下のような職業であると言えます。
基本的な動作の維持・改善に加えて、残された機能を活かし、応用動作や社会適応能力の獲得に向けた支援を行うスペシャリスト
基本的な動作の改善といった、身体機能向上のみに焦点を当てていないことがポイントです。
その人の残された機能を活用し、その人らしくいられるように支援を行うことは、作業療法士にとって最も大切な役割の1つです。
また作業療法では、
- 身体障がい
- 精神障がい
- 発達障がい
- 老年期における障がい
と幅広い分野・年齢層の方を対象とします。
そのため作業療法士は、生涯の多くの場面に対して支援を行うことが出来ます。
◎『理学療法士』とはどんな職業?
『理学療法士』とは、以下のような職業であると言えます。
「立つ」「歩く」「座る」「寝る」といった基本的動作能力の回復・維持を目指し、物理的的手段を用いることで運動機能の維持・向上・悪化予防を図るスペシャリスト
作業療法士と比べると、「身体機能の維持・向上を重視している職業」と言えます。
また理学療法士は、
- 健康の維持
- 症状悪化の予防
- スポーツ分野でのパフォーマンス向上
といったように、健常者を対象として関わる機会が多くあります。
理学療法士は、「筋肉などの身体構造に関するスペシャリスト」です
そのため病院や施設以外でも、幅広い分野での活躍が注目される職業です。
働く環境の違いについて

理学療法士と作業療法士では、働く環境がやや異なります。
共通する部分、異なる部分に関して、以下にまとめていきます。
◎共通する職場
理学療法士と作業療法士で共通している職場は、以下のとおりです。
- 医療施設
- 介護老人保健施設、特別養護老人ホーム
- 小児施設
- 訪問リハビリテーション
- 地域の役所や保健所
- 大学などの研究機関
- 一般企業
こうした職場では、主に
- 身体障がい
- 発達障がい
- 老年期における障がい
を対象としたリハビリテーションを行っています。
この3つの分野では、作業療法士と理学療法士では大きな違いはありません。
最近では、一般企業においても活躍の場が広がっています。
◎作業療法士に特徴的な職場

共通する職場がたくさんあることは分かったよ!
ちなみに、どちらか一方に特徴的な職場ってあるの…?
作業療法士に特徴的な職場は、以下のとおりです。
- 総合病院等の医療施設
- 介護老人保健施設、特別養護老人ホーム
- 小児施設、発達支援センター
- 訪問リハビリテーション
- 精神科病院やグループホーム
これらは、主に精神科領域に該当します。

こころの病気は、作業療法士の腕の見せ所だね!
近年、うつ病などこころの病を抱えている人が増加傾向にあります。
そのため、精神科領域を専門とする作業療法士の活躍は、ますます期待されています。
その他にも作業療法士は、
- ハローワーク等での職業相談
- 精神障がいを持つ方の就労支援
- 仕事に必要な技能チェック
といった、さまざまな業務にも携わっています。
さいごに
本記事では、『理学療法士と作業療法士の違い』をテーマに、
- 『作業療法』と『理学療法』について
- 『作業療法士』と『理学療法士』の違い
- 働く環境の違い
について解説しました。いかがでしたでしょうか。
同じリハビリテーション専門職でも、それぞれ役割は大きく異なります。
本記事を通して、理学療法士や作業療法士といった職業に興味を持っていただけたら幸いです。
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