かぴまる厚底のランニングシューズばかり目にするようになってきたけど、これだけしっかりした靴ならケガもしにくいのかな?履くことでどんなメリットがあるのか、逆にデメリットがあるのか、気になるなぁ・・。
今回は、こうした疑問に答えます。
- 【はじめに】厚底シューズが主流になったワケ
- なぜ「柔らかい」のに「負荷」が増えるの?
- 初心者が直面する「不安定性」のリスク
- 初心者がケガを防ぐためのシューズ活用術
こんにちは、かぴまるです。
僕自身も月間350kmほど、サブ40(フルマラソン2時間40分切り)を目標にランニングを楽しんでいます。
今回のテーマは、
厚底シューズとケガの関係性
についてです。
近年のランニングブームにおいて、最も大きな変化といえば「厚底シューズ(マキシマリスト・シューズ)」の登場でしょう。
かつては『速く走るなら、薄くて軽い靴』が常識でしたが、今はトップエリートから市民ランナーまで、分厚いソールがスタンダードになりました。
『これだけクッションがあれば、膝を痛めずに済むだろう 」
と考えるのは非常に自然なことです。
しかし、スポーツ医学や最新のバイオメカニクス研究によれば、「厚底=怪我のリスク低下」という単純な方程式は必ずしも成立しないことが分かってきました。
本記事では、厚底シューズが私たちの身体にどのような影響を与えるのか、そしてケガなく走り続けるためにどのような視点でシューズを選び、履きこなすべきなのかを、科学的な知見に基づいて徹底的に解説していきます。

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【はじめに】厚底シューズが主流になったワケ

まずはじめに、なぜ世界中のメーカーがこぞって厚底を作るようになったのかを理解しておきましょう。
最大の理由は、
「エネルギー効率の向上」
「疲労の軽減」
の2点です。
最新の厚底シューズは、ただ柔らかいだけでなく、以下の2つの高度なテクノロジーが組み合わさっています。
- 超軽量・高反発フォーム
航空宇宙産業でも使われるような特殊な素材を使用し、地面に加えた力を効率よく反発力として返す。
- カーボンプレート
ソールの中にスプーン状の硬い板を内蔵し、テコの原理で身体を前へ押し出す。
これによって、同じペースで走っても心拍数が上がりにくく、足の筋肉へのダメージを抑えられるようになりました。
しかし、この「魔法のような恩恵」には、身体への負荷の「質」が変わるという側面が隠されています。
衝撃のパラドックス:なぜ「柔らかい」のに「負荷」が増えるのか

かぴまるクッションが衝撃を吸収してくれるわけだから、カラダへの負担は減るんじゃないの?
・・と、誰もがそう思うことでしょう。
しかし、ここには『バイオメカニクスのパラドックス(逆説)』が存在しています。
そのカギを握るのが、
レッグ・スティフネス(脚の剛性)
という概念です。
①:脳が脚を「硬い棒」に変えてしまう
人間には、着地する面の柔らかさを脳が瞬時に感知し、カラダの安定性を保つために脚全体の『バネの硬さ』を自動調整する機能が備わっています。
最新の研究(Kulmala et al., 2018)によると、非常に柔らかいクッションを持つ厚底シューズを履いて走る際、ランナーの脳は「足元が不安定で柔らかすぎる」と判断します。
すると、カラダを安定させるために無意識に脚の筋肉を強く緊張させ、脚全体を「硬い一本の棒」のように固定(スティフネスを高める)してしまうのです。
かぴまる脚が硬く固定されると、どうなっちゃうの??
脚が固く固定されてしまうと、「シューズは柔らかいが、脚は硬い」というチグハグな状態になってしまいます。
その結果として、薄底シューズを履いている時よりも関節への衝撃負荷が増大してしまうケースがあるのです。
②:「着地が雑になる」という心理的落とし穴
薄底のシューズや裸足に近い状態で走ると、雑な着地をすればすぐに痛みを感じるため、人間は自然と『優しく、丁寧な着地』を身につけようとします。
しかし、厚底シューズを履くと、どんなに強く足を叩きつけてもクッションが不快感を消してしまいます。
これが原因で、フォームが乱れていることに気づかず、関節にダメージを蓄積させてしまうランナーが少なくありません。
「痛む場所」が変わる:末端から中枢へ

厚底シューズを履いたからといって、決してケガがなくなるわけではありません。
『ケガがなくなる』のではなく、『ケガをする部位が移動する』というのが現在の専門家たちの共通見解となっています。
①:従来の薄底シューズの場合
| 負担がかかる部位 | 足裏 かかと ふくらはぎ アキレス腱 |
|---|---|
| よくあるケガ | 足底筋膜炎 アキレス腱炎 シンスプリント |
地面の情報をダイレクトに受け取るため、足首から下の「末端組織」を酷使する傾向がありました。
②:厚底シューズの場合
| 負担がかかる部位 | 膝 大腿部(太もも) 股関節 腰 |
|---|---|
| よくあるケガ | ランナー膝(腸脛靭帯炎) 大腿骨や骨盤の疲労骨折 |
厚底シューズの場合、クッションの柔らかさによって、足首周りの負担は軽減されます。
その一方、高いソールが「テコ」のように働き、膝や股関節といった身体の中央に近い『大きな関節』への回転負荷(トルク)を増大させます。
ランニング初心者の場合、まだ膝を支える筋力が十分に発達していないため、この『負荷の移動』に対応できず、膝などの大きな関節を痛めてしまうケースが多いのです。
初心者が直面する「不安定性」のリスク

厚底シューズのもう一つの大きな特徴は、その『高さ』です。
4cm近い厚みがあるソールの上に立つということは、いわば『厚手のスポンジの上で、片足立ちをくり返す』ような状態です。
かぴまる想像しただけで不安定だね・・
足首の捻挫と『ブレ』
ソールが高ければ高いほど、着地時の左右のグラつきは大きくなります。
エリートランナーは足首周りの腱や筋肉が非常に強いため、このグラつきを瞬時に抑え込むことができます。
しかし、ランニングを始めたばかりの初心者は、この『ブレ』を制御しきれません。
その結果、足首をひねったり、あるいはブレを補正しようとして膝が内側に入り込む(ニーイン)現象が起き、関節に無理なねじれが生じてしまいます。
カーボンプレートの『強制力』
最近では、初心者向けモデルにもカーボンプレートが入っていることがありますが、これにも注意が必要です。
カーボンプレートは、『正しいフォームで、一定以上の速度で走る』ことを前提に設計されています。
筋力が不足している状態でプレートの強い反発を受けると、自分の筋力以上のスピードが出てしまい、筋肉や腱がその速度に耐えきれず、肉離れのようなケガを引き起こすリスクがあります。
初心者がケガを防ぐためのシューズ活用術

そうは言うものの、厚底シューズは決して『悪いシューズ』ではありません。
むしろ、正しく使えばランニングをより楽しく、持続可能なものにしてくれる素晴らしいツールです。
ランニング初心者がケガを防ぐためのポイントとして、以下の4つを押さえておきましょう。
ケガを防ぐためのポイント4選
- トップレーシングモデルを避ける
- 複数のシューズを履き分ける
- 『シューズに走らされない』意識を持つ
- 足首・体幹を鍛える
それぞれ順番に見ていきましょう。
① :トップレーシングモデルを避ける
各メーカーが発表するトップレーシングモデルは、あくまでレース用です。
ランニング初心者の場合、まずはデイリートレーナーと呼ばれるカテゴリーのシューズを選びましょう。
これらは適度なクッション性がありながらも、ソールの幅が広く設計されており、着地時の安定感が重視されています。
② :複数のシューズを履き分ける
毎日同じ厚底シューズで走ると、常に同じ部位(膝や股関節)に負荷が集中します。
週に数回走るなら、少し薄めのシューズや、安定感重視のシューズなど、タイプの違う靴を交互に履くことを検討してください。
これによって、使う筋肉や関節が分散され、オーバーユース(使いすぎ)によるケガを防げます。
③ :『シューズに走らされない』意識を持つ
厚底の反発力に頼りすぎて、足を前に投げ出すような走り方にならないよう注意しましょう。
クッションがあるからこそ、あえて「音を立てずに着地する」くらいの丁寧な足運びを意識することが、膝の保護に繋がります。
④ :足首と体幹を鍛える
シューズの不安定さを補うのは、最終的には自分の肉体です。
トレーニングの例として、
- 片足立ち: 歯磨き中などに左右1分ずつ
- カーフレイズ: かかとの上げ下げ
といったものが挙げられます。
こうした地味なトレーニングが、厚底シューズを履きこなすための「土台」になります。
まとめ:自分に合った「厚み」を見極めよう
以上、厚底シューズとケガの関係性についてでした。
厚底ランニングシューズは、ランニングの歴史を塗り替えた革新的な発明です。
しかし、初心者にとってそれは『諸刃の剣』でもあるということは忘れてはいけません。
- メリット: 筋肉の疲労を抑え、長い距離をラクに走れる
- リスク: 膝や股関節への負荷増大、不安定さによる関節トラブル
大切なのは、『流行っているから』『クッションが凄そうだから』という理由だけで選ばないことです。
自分の現在の筋力、走るペース、そして過去のケガの履歴(膝が弱いのか、足裏が弱いのか)を考慮して、ショップの店員さんとも相談しながら、最適な『厚み』を探してみましょう。
道具は進化しても、走るのはあなたの身体です。
最新のテクノロジーを賢く味方につけて、ケガのない楽しいランニングライフを送りましょう!
今回は以上です。最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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