こんにちは、カピまるです。
今回は、「失語症の方とのコミュニケーション」について解説します。
↓↓前回までの記事もあわせてご覧下さい↓↓

失語症の概要や評価については理解出来たよ!

実際に関わるってなると不安だなぁ…
注意すべきことについて教えて欲しいです。
本記事では、こうした不安や悩みにお答えしていきたいと思います。
主に、
- 基本的な接し方
- 症状に合わせた接し方
- 注意点
の3項目について、くわしくまとめていきます。
ぜひ最後までご覧いただき、今後の学習に役立てて下さい。
基本的な接し方

失語症の方との基本的な接し方のコツは、以下のとおりです。
- ゆっくり、短く、分かりやすい言葉ではっきりと話す
- 「はい」「いいえ」で答えられる質問をする
- 話題を急に変えない
- 分かりにくい内容については、繰り返し伝える
- 正しく理解できているかどうか、確認しながら話す
- 絵や写真、ジェスチャーを交えながら伝える
- 実物を見せたり、その場に行って話をする
失語症の特徴として、
- 話す
- 聞く
- 読む
- 書く
4つの言語的側面すべてに障害がみられるといったことがあります。
そして「言葉の意味」「文法」「音韻」「語彙」それぞれの側面が障害されます。
こうした苦手とするコミュニケーションの側面を知り、相手が理解しやすくなるよう工夫をすることが重要です。
大原則『ゆっくり、短い言葉で、はっきりと』
相手が理解しやすくなるようなコミュニケーションは、
- ゆっくりと
- 短い言葉で
- はっきりと
話すことこそ最も重要であり、最も効果的であると言えます。

話が長すぎたり、早口な人の話って頭に残らないよね…
失語症の方は、健常者以上にコミュニケーション理解が難しくなります。
普段と同じような話し方ではなく、相手に理解してもらえるよう工夫するよう心がけましょう。
また失語症の方は、話題がコロコロ変わるような会話を苦手とします。
別の話題に触れる際には、必ず事前にその旨を伝えるようにしましょう。
絵や写真、ジェスチャーは効果◎
失語症の方は、「聞く」よりも「文字を理解する」方が特異な方が多いです。
そのため絵や写真、ジェスチャーを用いたコミュニケーションは非常に有効です。
特定の話題について話す際には、キーワードを示しながら話すのもおススメです。
「はい」「いいえ」で答えられる質問をする
失語症の方は、自分の思ったように言葉が出ないことがあります。
そのような時には、「はい」「いいえ」で答えられる質問をしましょう
相手が言いたいであろう言葉を推測し、質問することが大切です。
症状に合わせた接し方

ここでいう症状というのは、以下のとおりです。
- 言いたい言葉が見つからない
- 言いたい言葉と違う言葉が出てしまう
- 言葉を聞いて理解することが難しい
それぞれ順番に解説していきます。
言いたい言葉が見つからない場合
- 先回りして言ってしまわない
- 相手の言葉をさえぎって話を進めない
- 「はい」「いいえ」で答えられるように質問を工夫する
- 表情やジェスチャーなどから、相手が伝えたい意図を判断する

自分がされたとしても嫌なことばかりだ…。
失語症の方は、コミュニケーションを取るのに時間が多くかかってしまいます。
傾聴の姿勢を基本として、相手の言葉に寄り添うように心がけましょう。
なかなか言えそうにないときは、こちらから質問方法を変えることで、相手が答えやすいように工夫することが大切です。
言いたい言葉と違う言葉が出てしまう場合
- 一方的に相手の話を否定しない
- 伝えようとしている言葉を推測し、そのまま話を続けさせる
- 文字や絵で描き示しながら、内容を適宜確認する

途中で話をさえぎられるのは、確かに少し嫌かも…
感覚性失語(ウェルニッケ失語)のように、発話は流暢だけど錯誤が生じてしまうような方が該当します。
先ほどと重複しますが、大切なのは「傾聴の姿勢」です。
相手の伝えたいことを推測し、文字や絵を通して内容を確認しながら会話をしましょう。
言葉を聞いて理解することが難しい場合
- 短い言葉で、ゆっくりと話しかける
- 言葉の切れ目で少し間をおくように心がける
- 絵やジェスチャーを適宜使用する
- 重要事項の場合、内容が伝わったかどうか確認する

普段どおりの話し方では、伝わらない場合もあるんだ。
普段の話し方以上にゆっくりと、短く理解しやすい言葉を用いることが大切です。
※理解が悪いからと言って、大きな声を出す必要はありません。
人によっては、ジェスチャーによって十分に意思表示が出来ないこともあります。
重要事項については、内容が伝わったかどうか適宜確認するようにしましょう。
注意点

コミュニケーションを取る際の注意点は、以下のとおりです。
- 子ども扱いをしない
- 一方的に否定しない
- 分かったふりをしない
特に注意しなければならないのは、「子ども扱いしない」ということです。
※NG①:相手を絶対に子ども扱いしない
先ほどからコミュニケーションを取る際に
- ゆっくりと、短い言葉で話す
- 絵やジェスチャーを利用する
- 「はい」「いいえ」で答えられるよう質問に工夫をする
といったことが重要だとお伝えしています。
有効な手段ではありますが、必要以上にしてしまうと相手に不快感を与えてしまいます。
相手のことを尊重し、適切な支援を提供できるよう心がけましょう。
※NG②:一方的に相手を否定しない
- 「それは○○じゃない。△△だよ~……」
- 「○○ってどういうこと?△△じゃないの~……」
一方的に話を否定されると、相手もコミュニケーションを取りたくなくなります。
「傾聴の姿勢」を基本とし、相手の言葉に耳を傾けましょう。
そして時々「はい」「いいえ」で答えられる簡単な質問を通して、話の内容を整理することが重要です。
※NG③:分かったふりをしない
分かったふりをしていると、相手も伝わっていると思い、どんどん話を進めようとします。
それなのに伝わっていないとなると、混乱をまねきコミュニケーションに支障が出ます。
繰り返しになりますが、時々「はい」「いいえ」で答えられる簡単な質問を通して、話の内容を整理することが重要です。
お互いに情報を共有しているという意識を持つことが大切です。

3つのNGについては、特に注意するよう心がけよう!
さいごに
本記事では、「失語症の方とのコミュニケーション」をテーマに、
- 基本的な接し方
- 症状に合わせた接し方
- 注意点
の3項目について解説しました。いかがでしたでしょうか。
リハビリテーション専門職として支援を行う上で、コミュニケーションは非常に重要です。
本記事でご紹介したポイントを理解し、今後の生活に役立てていただければ幸いです。
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