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【徹底解説】失語症の基礎知識について:概要と主な症状まとめ

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N君

失語症について勉強したいなぁ。

カピまる

それなら今回は、基礎的な部分について解説していくよ!

失語症のようなコミュニケーション障害は、

  • 自分の抱える思いを伝えられない
  • してもらいたい、伝えたいことが伝わらない
  • 相手の言葉が理解できない

といった精神的ストレスにつながり、リハビリテーションの妨げともなりうるものです。

その他にも、

  • 本が読めない
  • 字が書けない

といった活動にも影響を及ぼし、さまざまな生活場面での不自由さにつながります。

ですが、失語症の症状は、家族や周囲の方のサポートによって、少しずつ改善する可能性があります。

そこで今回は、「失語症の基礎知識」をテーマに、概要や主な症状などについて解説していきます。

  • 失語症の概要について1から勉強したい!
  • 症状の分類方法について知りたい!

上記のような方は、ぜひ参考にしていただき、、今後の生活に役立ててください!

この記事を書いた人

<プロフィール>

  • カピまるブログ運営者
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目次

失語症の基礎知識

まずはじめに、失語症の概要について確認していきます。

失語症とはどんな障害?

失語症とは、言語障害の1種です。

脳が障害されたことによって、

  • 話す
  • 聞く
  • 読む
  • 書く

といった機能が損なわれた状態のことを指します。

具体的な生活場面に障害の例として、以下のようなものがあります。

  • 伝えようとしても言葉が出てこない
  • 相手の話を理解できない
  • 相手の言葉をマネできない
  • 文字や文章が読めない
  • 言葉が思い出せない
  • 声が出せない(発話が困難)
  • 流暢に話せない
  • 字が書けない
  • 文法が崩れる

このように、日常生活における意思疎通が難しくなるといった症状が見られます。

症状の組み合わせや程度は、それぞれ異なります。

主な原因

失語症は、大脳にある言語中枢が損傷されることによって発症します。

言語中枢が損傷される原因の多くは、

  • 脳梗塞
  • 脳卒中
  • くも膜下出血

といった脳卒中とされています。

その他にも、脳腫瘍や交通事故が原因となる頭部外傷などによっても発症することがあります。

主な分類方法

一般的に失語症は、「非流暢性失語」「流暢性失語」の2種類に分類されます。

※「流暢性」=喋ることはできるが、言葉の内容や文法がまちがっている

※「非流暢性」=言葉の内容は理解できるが、うまく話すことができない

それぞれの特徴については、以下表のとおりです。

非流暢性失語流暢性失語
発語の量少ない正常または多い
発語に対する努力努力を要する正常
韻律障害あり正常
句の長さ短い長い
統語障害単語の羅列が多い言葉としてはつながるが、
内容は不明(錯文法)
錯誤ほとんどない多い
言語促拍減少増加
障害部位ブローカ野ウェルニッケ野

さらに、「非流暢性失語」「流暢性失語」には、以下のような失語が含まれます。

非流暢性失語の例

  • ブローカ失語
  • 超皮質性運動性失語
  • 全失語

流暢性失語の例

  • ウェルニッケ失語
  • 超皮質性感覚性失語
  • 伝導失語

各失語症の分類と症状一覧

上記で紹介した失語症について、それぞれ症状等についてまとめます。

自発語復唱言語理解文字理解読み書き
ブローカ失語
超皮質性運動性失語
全失語
ウェルニッケ失語流暢錯書
超皮質性感覚性失語錯語錯語錯書
伝導失語錯語錯読錯書

参考:失語症に対する評価方法

参考までに、臨床場面での失語症に対する評価方法について解説します。

画像診断

言語には、一般的に「話す」「聞く」「読む」「書く」という側面があります。

「話す」「聞く」に関わる症状と脳の責任病巣は、以下のとおりです。

症状責任病巣
話す発話、発語の障害、流暢に話せない左中心前回下部
喚語困難、語想起障害左中心前回後部、左シルビウス裂後端、左側頭葉
復唱障害左シルビウス裂後端
錯誤左下前頭回後部、左シルビウス裂後端
文法障害左下前頭回後部
聞く聴覚理解障害左上側頭回後部
語義障害左前頭葉前部
ジャルゴン左上側頭回後部~下頭頂小葉
※右利き(優位半球が左)を想定した場合

脳の特定部位の損傷は、失語症の発生とその症候に強く関係があると明らかにされています。

そして、損傷によって失語症を引き起こす部位こそ、言語機能の中枢である「言語野」です。

言語野は、90%以上の人が左大脳半球に存在するとされています。

標準失語症検査(SLTA)

失語症の評価として有名なのが、標準失語症検査(SLTA)です。

SLTAの評価項目は、以下のとおりです。

大項目小項目問題数内容
Ⅰ. 聴く1.単語理解10単語を聞いて対応する絵カードを指す
2.短文理解10短い文を聞いてその状況を表す絵を指す
3.口頭命令10口頭の指示に従って物品を移動する
4.仮名1文字理解10音節を聞いて対応する仮名1文字を指す
Ⅱ. 話す5.呼称20絵を見て物品名を言う
6.単語の復唱10単語を聞いて復唱する
7.動作説明10状況を表す絵を見て口頭で説明する
8.まんがの説明14コマまんがを見て、絵を口頭で説明する
9.文の復唱52~6文節からなる文を聞いて復唱する
10. 語の列挙15指定された種類の語(例:動物)を列挙する
11. 漢字単語の音読5漢字で書かれた単語を音読する
12. 仮名1文字の音読10仮名文字を1文字ずつ音読する
13. 仮名単語の音読5仮名で書かれた単語を音読する
14. 短文の音読5短い文章を音読する
Ⅲ. 読む15. 漢字単語の理解10漢字単語を見て対応する絵を指す
16. 仮名単語の理解10仮名単語を見て対応する絵を指す
17. 短文の理解10短い文章を読んで状況を表す絵を指す
18. 書字命令に従う10文章を読んでその指示通り物品を移動する
Ⅳ. 書く19. 漢字単語の書字5絵を見て物品名を漢字で書く
20. 仮名単語の書字5絵を見て物品名を仮名で書く
21. まんがの説明14コマまんがを見て、節を文章で書く
22. 仮名1文字の書取り10音節を聞いて仮名文字で書取る
23. 漢字単語の書取り5単語を聞いて漢字で書取る
24. 仮名単語の書取り5単語を聞いて仮名で書取る
25. 短文の書取り5短い文を聞いて書取る
Ⅴ. 計算26. 計算20加減乗除の簡単な計算をする

SLTAは、

  • 聞く(聴覚的言語理解)
  • 話す(口頭言語表出)
  • 読む(音読、読字理解)
  • 書く(自発書字、書取り)
  • 計算(四則筆算)

という5つの大項目から構成され、その内26の小項目が含まれます。

それぞれの大項目における機能について、

  • 言葉を聞いて絵カードを指す
  • 字カードと絵カードを合わせる
  • 絵カードを指して名前を答える
  • 字や文章を読ませる

といった方法を用いて、検査を行います。

採点方法について

SLTAは、原則以下のように6段階で評価します。

段落内容
6.完全正答スムーズに回答した
5.遅伸完全正答遅れあるいはよどみがあったが正答した
4.不完全わずかに誤りがあった
3.ヒント正答段階6. 5. 4には達しなかったが、ヒントがあれば完成した
2.関連ヒントを与えられたあと、なお段階4に相当する誤りがあった
あるいは、ヒントで完成できなかったが一部は自力で正しく回答した
1.誤答ヒントを与えられたあと、なお段階2に達しなかった

それぞれの問いについて、段階5と6を正答とみなします。

そして項目内で何問中何問に正答したか、正答率のプロフィールとして評価します。

WAB失語症検査

先ほどのSLTAと同様に、失語症に対して広く使用されている検査の1つです。

検査項目については、以下のとおりです。

  • 自発語
  • 話し言葉の理解
  • 復唱
  • 呼称
  • 読み
  • 書字
  • 行為
  • 構成

これら8つの項目で構成され、38の下位項目が含まれます。

さいごに

今回は、「失語症の基礎知識」をテーマに、概要や主な分類方法等について解説しました。

失語症の症状は、家族や周囲の方のサポートによって、少しずつ改善する可能性があります。

そのため、正しい知識を持って対象者の方と関わり、支援を行うことがとても大切です。

本記事を参考に、今後の生活に役立ていただければ幸いです。

以下の記事では、失語症の方とのコミュニケーション方法について、詳しくまとめています。

今回は以上です。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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