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エリートマラソン選手も実践する『ピラミッド型トレーニング』の秘密について

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エリートマラソン選手も実践する『ピラミッド型トレーニング』の秘密について
かぴまる

マラソンのタイムを縮めたくて必死に頑張ってるのに、なかなか結果につながらないなぁ・・。むしろ疲れが溜まって衰えてるような・・これって何でだろう?

このような悩みを抱えている、という方は多いのではないでしょうか?

『走行距離をたくさん増やしたのに、なかなか成果が出ない・・』

『毎週インターバル練習を頑張っているけど、疲れが取れなくてヘロヘロに・・』

ランニングは頑張れば頑張るほど成果が出るスポーツだと思われがち。

ですが、実のところ「がむしゃらな努力」というのは、フルマラソンにおいてはかえって逆効果になることが少なくありません。

かぴまる

それなら一体、どうやってトレーニングすれば良いんだ~~!!

本記事では、これについて答えを示してくれる論文について紹介していきます。

この論文は、世界トップクラスのエリートマラソン選手たちの膨大な練習データを集め、彼らが実際に「どんな強度で」「どんなバランスで」「時期によってどう練習を変えているか」を徹底的に分析したものです。

我々市民ランナーにも活かせるポイントが数多く紹介された論文なので、ぜひ今後のトレーニングの参考にしてもらえたら幸いです!

この記事を書いた人

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目次

【エリート選手も実践】トレーニングの黄金比率とは

この論文における重要な結論のひとつが、

”世界最高峰のランナーは、例外なく『ピラミッド型』のトレーニング比率を採用している”

という事実です。

スポーツ科学の世界では、ランニングのトレーニング強度を、体内の乳酸の溜まり具合(代謝の状態)によって以下の「3つのゾーン」に分類します。

3つのゾーン分類について

  • Zone1(軽めの強度)
  • Zone2(中程度の強度)
  • Zone3(高い強度)

Zone1(軽めの強度)

・・乳酸がほとんど溜まらない、走りながら楽に会話ができるくらいのジョギングがこれに該当します。

Zone2(中程度の強度)

・・息はハァハァと上がるが、30分〜1時間ほどは維持できる「心地よいキツさ」のペース走、いわゆる「乳酸閾値(LT)ペース」を指します。

Zone3(高い強度)

・・ゼーゼーと息が完全に切れる限界に近いスピードであり、5kmのレースペースや全力に近いインターバルなどが該当します。

世界のエリート選手たちは、この3つのゾーンの練習量を「Zone 1:Zone 2:Zone 3 = 80%:15%:5%」というピラミッド型の比率で構成していました。

『楽なジョグ」が8割も必要なワケ

かぴまる

速くなるためにも、もっとキツい練習を増やさないとダメなんじゃないの?

このように感じている方も多いのではないでしょうか?

ピラミッドの土台である「Zone 1(軽めの強度)」のトレーニングを重ねることによって、体の中では毛細血管が発達し、細胞内のミトコンドリアが増加します。

これによって、酸素を効率よくエネルギーに変える「強固な有酸素ベース(基礎体力)」が作られるのです。

この強大な土台があるからこそ、マラソン後半でもガクッとペースが落ちない無尽蔵のスタミナが身につき、さらには週1〜2回のキツい練習(Zone 2や3)をやった後も、翌日にはケロッと疲労から回復できるようになります。

土台のないピラミッドがすぐに崩れてしまうように、ジョグの土台がないランナーがキツい練習ばかりやっても、故障するかオーバートレーニングになるだけなのです。

『過度なスピード練習(Zone 3)』が少量でOKなワケ

『過度なスピード練習(Zone3)』が少量でOKなワケ

多くの市民ランナー、特にマジメなシリアスランナーほど、「もっと追い込まなければ!」と毎週のように限界ギリギリの激しい1000mインターバル(Zone 3)などを繰り返しがちです。

しかし、この論文の分析によると、世界トップクラスのマラソン選手になればなるほど、高い強度のスピード練習(Zone 3)の割合はごくわずか(全体の5%程度)に留めています。

なぜなら、フルマラソンという競技の本質は「瞬間的なスピード」ではなく、「一定の速いペースをいかに長く維持できるか」だからです。

大切なのは、『Zone 2』の解像度を上げること

マラソン選手がピラミッドの真ん中で最も重視しているのが、Zone 2(乳酸閾値:LT)の練習です。

体内に疲労物質である「乳酸」が急激に溜まり始め、体が動かなくなる限界の境界線のことを乳酸閾値(LT)と呼びます。

Zone 2の練習をしっかりと行うと、体内で乳酸を再利用してエネルギーに変える能力(乳酸クリアンス能力)が向上します。

その結果、これまでは「キツくて維持できない」と思っていたスピードが、数ヶ月後には「いくらでも走り続けられる心地よいペース」へと変化していきます。

この「Zone 2の底上げ」こそが、マラソンのレース後半でも足が止まらない、真の「バテないスピード」を手に入れる方法なのです。

まずは、「とにかく追い込めば速くなる」という根性論は捨ててしまいましょう。

マラソンにおいては、過度なスピード練習よりも、ジョグと心地よいキツさのペース走(Zone 2)の充実こそが最優先であることが、この論文で示されています。

パフォーマンスを最大化する『期分け(ピリオダイゼーション)』

パフォーマンスを最大化する『期分け(ビリオダイゼーション)』

どれだけ日頃の練習が素晴らしくても、大会当日に疲労困憊だったり、逆に体が重かったりしては意味がありません。

論文では、エリート選手たちが1年間を通じてどのように練習のバランスを変化させ、大会当日に調子のピークを合わせているか(ピーキング)についても明らかにしています。

彼らは、 linear periodization(伝統的な linear 期分け)と呼ばれる、計画的なアプローチを取り入れていました。

①:準備期(大会の数ヶ月前〜1ヶ月前まで)

この時期のテーマは、『徹底的な土台作りとスタミナの強化』です。

全体の走行距離(ボリューム)を年間で最も高い水準に設定し、先ほど解説した「純粋なピラミッド型」を徹底します。

Zone 1のジョグで基礎体力を高めつつ、週に1〜2回、Zone 2のしっかりとしたペース走を入れることで、スタミナを極限まで高めていきます。

②:試合期(大会直前の数週間)

大会が近づくこの時期、エリート選手たちは練習のバランスをガラリと変えます。

まず、カラダに溜まった疲労を完全に抜くために、トレーニングボリュームを大幅に減少させます。

そしてここからが面白いポイントです。彼らは走行距離を減らすと同時に、練習の比率をピラミッド型から『偏極型(ポラライズド)』と呼ばれるバランスへとシフトさせます

偏極型とは、Zone 2のトレーニング量を減らす代わりに、「本番のレースペースや、それよりやや速い実戦的なスピード(Zone 3)」を、短い距離・短い時間だけピリッと行う方法です。

  • 走行距離を減らして疲労を抜く
  • 短い距離の速いダッシュなどで、筋肉や心肺の『キレ』を残す

この計画的なシフト(期分け)を行うことで、大会当日の朝、疲労が完全に抜け切っていながらも、1歩目から体が軽くスピードに乗れるという「究極のピーキング状態」を作り出すことができるのです

市民ランナーのトレーニングへの活用ポイント

市民ランナーのトレーニングへの活用ポイント
かぴまる

エリート選手の話は分かったけれど、週に何百キロも走れない市民ランナーはどう真似すればいいの?

市民ランナーが真似すべきポイントは、走る「絶対的な距離」ではありません。

『トレーニングの比率(%)』・『メニューの組み方』

の2つです。

明日からの練習に今すぐ活かせるポイントについて、以下の3つを紹介します。

①:トレーニング強度のメリハリをつける

論文の中でエリートランナーたちの週間スケジュールを分析したところ、彼らは必ず「ハードな日(Hard day)」と「楽な日(Easy day)」のメリハリを徹底していました。

具体的には、週に少なくとも3日は「完全に楽なジョグ(Zone 1)しかしない日」を設けています。

市民ランナーにありがちな失敗が、「毎日そこそこ頑張る、中途半端にキツいジョグ」を繰り返すことです。

これではZone 1の恩恵(毛細血管の発達など)も得られず、Zone 2の強化にもならず、ただ疲労だけが蓄積してしまいます。

『頑張る日はしっかりペースを上げ、抜く日は周りの目が気にならないくらいトコトンゆっくり走る』という、トレーニング強度のメリハリがあなたを強くします。

②:『Zone 2』トレーニングに「クルーズインターバル」を導入する

Zone 2(心地よいキツさ)を鍛える際、30分〜45分間ずっと1人で同じペースを維持して走り続けるペース走は、精神的にも肉体的にもかなりタフなメニューです。

そこで、論文でも紹介されているエリートたちの手法としておすすめなのが『クルーズインターバル』です。

Zone 2のターゲットペースで走る距離をあらかじめ分割し、間にごく短い休憩(レスト)を挟む手法です。

メニュー例:1000m × 8回〜10回(間の休憩:ジョグや完全休息を60秒)

間にたった1分(60秒)の休憩を挟むだけで、体内の乳酸が劇的にリセットされるわけではないため、カラダにはしっかりZone 2(乳酸閾値)の負荷をかけ続けることができます。

その一方で、心肺的な苦しさやフォームの崩れをリフレッシュできるため、1本もののペース走よりも遥かに楽に、質の高い練習を完遂できます。

③:量よりも『トレーニング比率』をマネする

世界のエリートランナーは週に200km近く走りますが、私たちはそれをマネする必要はありません。

あなたがもし「月間走行距離 150km(週に約35km)」を目指すランナーであれば、その内の8割である「120km」を徹底的に気持ちのいいジョグに充ててください。

そして、残りの30km(週に約7km分)だけを、先ほどのクルーズインターバルやペース走などのポイント練習に充てるのです。

これだけで、あなたの練習効率は科学的に裏付けられた最高水準のものへと生まれ変わります

まとめ

エリートマラソン選手も実践する『ピラミッド型トレーニング』の秘密について

今回は、システマティックレビュー論文から、マラソンで結果を出すためのトレーニングのコツを紹介しました。

最後にもう一度、大切なポイントをおさらいしましょう。

本記事のポイントまとめ

  • マラソン練習の8割は、おしゃべりできるくらいの低強度ジョグでOK
  • 高強度:中強度:低強度=80:15:5(ピラミッド型)が理想
  • 限界まで追い込むスピード練習<<<心地よいキツさのペース走(Zone 2)
  • レース数週間前から距離を減らし、短い実戦的スピードで刺激を入れる

『マラソンのトレーニング=自分を限界まで追い込んで苦しむこと』ではありません。

これからは世界のエリートたちが実践している科学的な『ピラミッド型トレーニング』と『計画的な期分け』を取り入れて、賢く、故障なく、そして狙い通りスマートに自己ベストを更新していきましょう!

今回は以上です。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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