こんにちは、カピまるです。
今回は、『MMSEの評価と結果の解釈』をテーマに解説していきます。

よく使う評価だよね!
でも各項目について理解が不十分かも。

1からくわしく教えて欲しいな!
本記事では、主に
- MMSEの概要
- 検査の特徴
- MMSEのカットオフ値
- 実施上の注意点
の4項目について、詳しくまとめていきます。
上記に該当する方は、ぜひ最後までご覧いただき、今後の学習に役立てて下さい。
↓↓その他の認知機能検査について、あわせてご覧ください↓↓
MMSEの概要

MMSE( Mini-Mental State Examination )は、世界中で最も使用されている高次脳機能全般に対するスクリーニング検査です。
MMSEにおける検査項目は、以下のとおりです。
- 見当識(時間・場所)
- 復唱
- 計算
- 再生
- 呼称
- 言語指示
- 書字
- 図形模写

MMSEでは、事前に以下の物品を準備しておきましょう。
- MMSE評価用紙
- 筆記用具と消しゴム(被験者用・検者用)
- 時計、鍵
- 真っ白な A4 用紙 1 枚(質問 8 : 口頭指示で使用)
検査の特徴

MMSEの特徴として、以下の4点が挙げられます。
- 国際的に広く使用されており、検査の信頼性が高い
- 誰でも簡単に行える
- 10分~15分程で行え、検査にかかる負担が比較的少ない
- 長谷川式認知症スケール(HDS-R)と高い関連性が示されている
MMSEは、『スクリーニング検査』であることから、
- 誰でも簡単に実施できる
- 検査にかかる負担が比較的少ない
という特徴があります。
検査において評価項目や質問数が多くなると、実施時間や負担の増加が懸念されます。
MMSEは、スクリーニングとして手軽に検査出来るため、臨床場面で幅広く使用されています。
MMSEのカットオフ値

MMSEのカットオフ値は、以下のように定められています。
- 23点以下 ⇒ 認知障害あり(認知症の疑い)
- 24点~27点 ⇒ 軽度認知障害(MCI)の疑いあり
- 28点以上 ⇒ 健康
◎カットオフ値以上でも認知症の可能性はある

検査の結果、カットオフ値以上だ!
つまり認知症ではないってことだよね?
- 24点以上であっても、「認知機能低下」と診断される可能性はある。
- 軽度認知症(MCI)の場合、カットオフ値以上であっても要注意。
MMSEは、あくまでスクリーニング検査です。
そのためカットオフ値以上であっても、「認知機能が保たれている」と確定することができません。
検査を実施する際には、その点理解をしておきましょう。
◎各項目ごとの結果に注目すべき!

結果を見る時、どこに注目すればいいの?
MMSEのようなスクリーニング検査では、総得点のほかに、各項目ごとの結果を深堀りすることが大切です。
- どの項目で減点が多く見られたか
- 実施時の様子はどうだったか(例:注意散漫、時間がかかる、理解や判断の程度)
あくまでMMSEはスクリーニング手法であり、詳細な認知機能検査というわけではありません。
MMSEを用いる際には、さらに1歩踏み込んだ解釈をするよう意識しましょう。
実施上の注意点

検査を正確に実施するために、以下のような実施上の注意点があります。
- 体調が良い時に行う。
- 静かで集中できる環境の中で実施する。
- 質問は評価用紙記載内容に沿って行う(勝手なアレンジは厳禁)。
- 正解につながるようなヒントは与えない。
- 10秒経っても答えが出ない時は打ち切り、次の質問にうつる。
◎静かで集中できる環境を設定する
認知機能の低下が見られる方は、周りの音や人通りによって注意が散漫しやすいです。
そのため、実施環境への配慮は不可欠です。
なるべく個室を使用し、1対1の静かな環境で行うようにしましょう。
◎だらだらと検査を続けない
特に注意が必要なのは、「だらだらと検査を続けない」ことです。
一定時間答えられなければ、すぐに打ち切り次の質問にうつることが重要です。

もう少し時間かけたら答えられそうかも…
そうした思いで繰り返し質問をし、相手が答えるまで粘る検査者も少なくありません。
検査の正確性を高めるためにも、決まった時間で検査を打ち切ることで、マニュアルに沿った実施方法を心掛けましょう。
◎採点はマニュアルに沿って正確に行う
正誤の基準については、評価用紙内の ※部分に記載があります。
必ずこの通りに得点を算出しましょう。
間違っても自分の基準で正誤の判断を行わないよう注意してください。
さいごに
本記事では、『MMSEの評価と結果の解釈』をテーマに、
- MMSEの概要
- 検査の特徴
- MMSEのカットオフ値
- 実施上の注意点
の4項目について解説しました。いかがでしたでしょうか。
誰もが簡単に実施できるスクリーニング検査である一方、実施上の注意点もいくつかあります。
本記事を、今後の学習に役立てていただければ幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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