リバーミード行動記憶検査の評価と解釈【作業療法士が解説します】

こんにちは、カピまるです。

今回は、『リバーミード行動記憶検査の評価と解釈』をテーマに解説します。

カピまる
カピまる

聞いたことがあるけど、内容まで覚えてないなぁ…

N君
N君

他の記憶検査と何が違うんだろう…?

検査の特徴について、詳しく教えて欲しいな!

本記事では、このような疑問に答えていきたいと思います。

主に、

  • リバーミード行動記憶検査の概要
  • 検査の特徴
  • 下位検査の概要
  • カットオフ値
  • 結果の解釈

の5つの項目について、それぞれ詳しくまとめていきます。

ぜひ最後までご覧いただき、今後の学習に役立てて下さい。

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リバーミード行動記憶検査の概要

検査の概要のうち、重要なポイントは以下の2点です。

ポイント
  • 記憶障害の有無とその程度を評価できる
  • 言語性課題と非言語性(視覚性)課題から構成されている

リバーミード行動記憶検査は、認知症を始めとする種々の疾患における記憶障害の有無とその程度を評価出来る総合バッテリーです。

1985年にイギリス・オックスフォード大学で開発されました。

ウェクスラー記憶検査( WMS-R )と同様に、

  • 言語性課題
  • 非言語性(視覚性)課題

を組み合わせた総合評価バッテリーとして、国際的に広く使用されています。

画像引用元:RBMT リバーミード行動記憶検査|心理検査専門所|千葉テストセンター (chibatc.co.jp)

リバーミード行動記憶検査は、9つの下位検査で構成されています。

下位検査
  • 姓名の記憶
  • 持ち物の記憶
  • 約束の記憶
  • 絵の記憶
  • 物語の記憶
  • 顔写真の記憶
  • 道順の記憶
  • 用件の記憶
  • 見当識

検査の特徴

RBMTの特徴として、以下の点が挙げられます。

検査の特徴
  • 対象者が日常生活場面で経験する出来事が想定されている
  • 練習効果を極力排除した状態で評価することが出来る。
  • 30分程度で実施可能

RBMT最大の特徴は、日常生活に焦点を当てた検査であるということです。

記憶障害に関する総合評価バッテリーであるWMS-Rは、机上課題のみの要素的検査です。

一方、RBMTはより日常生活に近い状況をシミュレートすることで日常記憶の診断が行えます。

この点が、2つの総合評価バッテリーにおける大きな違いであると言えます。

検査を行う際の注意点

検査を行う際の注意点は、以下のとおりです。

注意点
  • スクリーニング検査ではないため、誰でも行えるものではない
  • 静かで集中できる環境で行う必要がある
  • 被験者の方の疲労には十分配慮する

特に『スクリーニング検査ではない』という点には注意が必要です。

MMSEやHDS-Rのように、誰でも簡単に検査を行うことはできません。

  • 検査機器の販売は、医療・教育・福祉等の専門機関に限定される
  • それ以外の機関で使用する場合には、専門家の指導の下で行う必要がある

カピまる
カピまる

ウェクスラー記憶検査と同じ、より専門的な検査なんだ!

下位検査の概要

リバーミード行動記憶検査は、以下の下位検査で構成されます。

下位検査
  • 姓名の記憶
  • 持ち物の記憶
  • 約束の記憶
  • 絵の記憶
  • 物語の記憶
  • 顔写真の記憶
  • 道順の記憶
  • 用件の記憶
  • 見当識

各項目について、それぞれ解説していきます。

1.姓名の記憶

検者は被験者に対して顔写真を2枚見せて、それぞれの姓名を憶えてもらいます。

その後一定時間置いてから、検者に対して顔写真のみで姓名を答えさせます。

2.持ち物の記憶

検者は被験者の持ち物を1つもしくは2つ預かり、隠します。

検者はその他の検査終了後に、何を預けたか被験者に思い出させて、返却するよう要求させます。(展望記憶)

3.約束の記憶

最初に約束事と答えを決めます。

20分後にアラームが鳴るように設定し、検者はアラームが鳴ったら決められた質問をします。

そして、それに対し回答してもらいます。(展望記憶)

4.絵の記憶

検者は被験者に対しある絵を一定時間呈示します。

そして、時間を置いてからその絵の内容について質問します。(視覚的課題)

5.物語の記憶

検者は被験者に対して、ある短い物語を聞かせてます。

そして、その直後と一定時間経過後の計2回、どのような物語であったか回答させます。(言語的課題)

6.顔写真の記憶

検者は被験者にある人物の顔写真を2枚見せます。

そして、後からどれが先ほど見たものと同じ顔写真であるか回答させます。(視覚的課題)

7.道順の記憶

まず部屋の中で検者が道順をたどって見せます。

そして、その後一定時間置いてから、被験者が同様の道順をたどれるかどうかを判定します。(空間的課題・展望記憶)

8.用件の記憶

検者は「7.道順の記憶」の途中で、被験者に対して他の用事(別の道順をたどる課題)を直後と一定時間経過後の計2回実施します。(直後・遅延、展望記憶)

9.見当識

検者は被験者に対して、日付や場所、知事名等について質問します。(近時・遠隔記憶)

検査のカットオフ値

リバーミード行動記憶検査では、

  • 「スクリーニング得点」…記憶障害全般について
  • 「標準プロフィール得点」…日常生活における障害の度合い

の2種類の得点から評価を行います。

  • 『スクリーニング得点』…満点ならば1点、それ以外は0点の12点満点。
  • 『標準プロフィール得点』…各項目の基準によって0~2点で換算、24点満点。

診断の目安として、年齢ごとのカットオフ値(病態識別値)が設定されています。

スクリーニング得点
  • 39歳以下:7 / 8
  • 40~59歳:7 / 8
  • 60歳以上:5 / 6
標準プロフィール得点
  • 39歳以下:19 / 20
  • 40~59歳:16 / 17
  • 60歳以上:15 / 16

また『標準プロフィール得点』のカットオフ値は、以下のように定められています。

カットオフ値

【0~9点:重度記憶障害、自立困難、介助者必須】

  • 0~6点:病院や自宅でも迷う危険性がある
  • 7~9点:慣れれば院内で迷うことはなくなる

【10~16点:中等度記憶障害】

  • 11~14点:病識はあるが記憶にムラがあるため自己認識が不十分な状態
  • 15点:1人での通院、通学が可能になる
  • 16~17点:自らノートを見返し、指摘されたことを積み重ねて記憶出来る

【17~21点:ボーダーライン / 軽度記憶障害】

  • 17点:1人で計画的に買い物が出来る
  • 18点:復職を検討する

【22~24点:健常範囲】

結果の解釈

『標準プロフィール得点』の解釈は、以下のとおりです。

  • 7点以下…病棟内での迷子や徘徊の可能性が疑われる
  • 9点未満…対象者の行動に対し、多くの指示や監視を必要とする

1人で自立した生活をおくる上では、最低でも16~17点を越えている必要があります。

しかし、これはあくまでもカットオフ値に過ぎません。

RBMT各検査項目の得点を分析し、記憶のどの側面において機能低下もしくは障害が生じているかを適切に見極め、記憶障害が日常生活へ及ぼす影響について深く検討することが大切です。

カピまる
カピまる

得点の大小だけじゃなくて、もっと深堀りしないとね!

さいごに

本記事では、『リバーミード行動記憶検査の評価と解釈』をテーマに、

  • リバーミード行動記憶検査の概要
  • 検査の特徴
  • 下位検査の概要
  • カットオフ値
  • 結果の解釈

について解説しました。いかがでしたでしょうか。

本記事を、今後の学習に役立てていただければ幸いです。

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