ウェクスラー記憶検査の評価と結果の解釈【作業療法士が解説します】

こんにちは、カピまるです。

今回は、『ウェクスラー記憶検査の評価と結果の解釈』をテーマに解説します。

カピまる
カピまる

講義でさらっと名前は聞いたことがあるような…

内容まではっきり覚えてないなぁ…

N君
N君

これから検査で使うかもしれないよね!

分かりやすく概要について教えて欲しいなぁ…

本記事を通して、このような悩みに答えていきたいと思います。

内容としては、主に

  • ウェクスラー記憶検査の概要
  • 検査の特徴
  • 実施上の注意点
  • 下位検査項目の概要
  • カットオフ値
  • 結果の解釈

の6項目について、それぞれまとめていきます。

ぜひ最後までご覧いただき、今後の学習に役立てて下さい。

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ウェクスラー記憶検査の概要

ウェクスラー記憶検査( Wechsler Memory Scale-Revised : WMS-R )は、認知症を始めとする種々の疾患における記憶障害の有無とその程度を体系的に評価するための検査です。

ウェクスラー記憶検査は、以下13の下位検査で構成されています。

下位検査
  • 情報と見当識
  • 精神統制
  • 図形の記憶
  • 論理的記憶Ⅰ
  • 視覚性対連合Ⅰ
  • 言語性対連合Ⅰ
  • 視覚性再生Ⅰ
  • 数唱
  • 視覚性記憶範囲
  • 論理的記憶Ⅱ
  • 視覚性対連合Ⅱ
  • 言語性対連合Ⅱ
  • 視覚性再生Ⅱ

このように、多くの課題を通して記憶のさまざまな側面を評価します。

検査は主に、言語性課題と図形を用いた非言語性(視覚性)の課題で構成されています。

◎各項目の構成

ウェクスラー記憶検査は、以下のような構成となっています。

検査の構成
  • 項目1   …「全般的な精神状態」に関する検査
  • 項目2~9 …「短期記憶とその再生」に関する検査
  • 項目10~13 …「記憶の遅延再生」に関する検査

カピまる
カピまる

各項目ごとに検査の目的が違うんだね!

項目1「情報と見当識」は、それぞれの下位検査に先立つ項目です。

ここでは、まず初めに全般的な精神状態を把握するための質問を含んだ検査を行います。

その後の下位検査では、

  • 「短期記憶とその再生」
  • 「記憶の遅延再生」

について検査を行います。

( ※時間の都合上「記憶の遅延再生」を省略し、「WMS-Rの短縮版」とすることも可能 )

検査バッテリーの特徴

WMS-Rの特徴は、以下のとおりです。

特徴
  • 記憶に関するさまざまな側面を評価できる
  • 認知症を始めとするさまざまな疾患に対して使用できる
  • 国内外で広く使用されている
  • 一部項目を省略して「WMS-Rの短縮版」として使用できる
  • 約45分~60分程で検査できる
  • 適応年齢が16歳~74歳までのため、幅広い年齢層の方に使用出来る

◎記憶に関するさまざまな側面を評価できる

ウェクスラー記憶検査は、総合的な評価バッテリーとして広く使用されています。

具体的には、

  • 短期記憶
  • 長期記憶
  • 言語性記憶
  • 非言語性記憶
  • 即時記憶
  • 遅延再生記憶

主にこの6項目について評価することができます。

1つの検査でさまざまな機能を評価できるため、被験者の方の負担も軽減されます。

◎一部項目を省略することもできる

先ほども少し述べましたが、ウェクスラー記憶検査では「短期記憶」を評価したあと、遅延再生課題で「長期記憶」を評価します。

そのため時間が限られている場合や「遅延再生」の項目を必要としない場合には、「記憶の遅延再生」に関連する項目10~13を省略することができます。

臨機応変に対応できるのも、この検査の大きな特徴です。

◎幅広い年齢層の方に使用できる

ウェクスラー記憶検査の適用年齢は、16歳~74歳と公表されています。

そのため病院や大学などの研究機関、リハビリ施設で幅広く活用されています。

リハビリテーション職員として就職した際には、おそらく使用する機会が度々あると思います。

検査を行う上での注意点

検査を行う注意点は、以下のとおりです。

注意点
  • スクリーニング検査ではないため、誰でも行えるものではない
  • 静かで集中できる環境で行う必要がある
  • 被験者の方の疲労には十分配慮する

※スクリーニング検査ではない

ウェクスラー記憶検査は、スクリーニング検査ではありません。

MMSEやHDS-Rのように、誰でも簡単に行うことはできないので注意が必要です。

  • 検査機器の販売は、医療・教育・福祉等の専門機関に限定される
  • それ以外の機関で使用する場合には、専門家の指導の下で行う必要がある

下位検査の概要

下位検査の概要について、以下に簡単にまとめていきます。

1.情報と見当識

被験者本人に関すること、見当識、および長期記憶から引き出される一般的な知識といった、簡単な質問から構成されます。

全般的な精神状態を把握出来るのでスクリーニングとしての使用が有効であるとされています。

※具体的な指標の算出には用いられません。

2.精神統制

普段から日常生活の中で慣れ親しんでいる、数字や文字の系列を繰り返す課題です。

3.図形の記憶

まず初めに、抽象的な模様を一定時間注視します。

そしてその後に、多くの模様の中から記憶した模様を識別するといった課題です。

4.論理的記憶Ⅰ

まず初めに、検査者が読む短い物語を聞いてもらいます。

そしてその後に、どのような話だったか内容を思い出しながら検査者に口頭で説明するといった課題です。

5.視覚性対連合Ⅰ

まず初めに、それぞれ異なった図形と色の対を見てもらいます。

そしてその後に、呈示された図形と対になっていた色を指し示してもらうといった課題です。

6.言語性対連合Ⅰ

まず初めに、1群8つの単語の対が読まれます。

そしてその後に、読み上げられた単語を聞いて対のもう一方の単語を答えるといった課題です。

7.視覚性再生Ⅰ

まず初めに、幾何学図形を一定時間見てもらいます。

そしてその後に、記憶を頼りにその図形を思い出して描いてもらうといった課題です。

8.数唱

検査者が読み上げた数字を同じ順に繰り返す課題(順唱)と、読み上げられた順と逆に繰り返す課題(逆唱)で構成されます。

9.視覚性記憶範囲

検査者がカード上の四角形に順番に触れるのを見て、同じ順序で触れる課題と、逆の順序で触れる課題です。

「8.数唱」課題の視空間的(視覚的)課題verです。

10. 論理的記憶Ⅱ

先に実施した「4.論理的記憶Ⅰ」の物語を思い出して、再度検査者に対し説明する課題です。

11. 視覚性対連合Ⅱ

先に実施した「5.視覚性対連合Ⅰ」の図形を見て、それと対になっていた色を指し示す課題です。

12. 言語性対連合Ⅱ

先に実施した「6.言語性対連合Ⅰ」で読み上げた単語の対の一方を聞き、それと対になっていた単語を答える課題です。

13. 視覚性再生Ⅱ

先に実施した「7.視覚性再生Ⅰ」の図形を、記憶を頼りに描く課題です。

検査のカットオフ値

WMS-Rでは、100点を中心(標準値)として±15点を正常値として定めています。

具体的な点数の算出方法に関しては検査バッテリー内に記載があるので、就職後にご自身で確認するようにしてください。

(※サイト上に評価用紙等を貼るのは×なのでご容赦ください。。)

結果の解釈

WMS-Rでは、8つの下位検査(項目2~9)を通して

  • 「一般的記憶」
  • 「注意 / 集中力」

という2つの主要な合成得点が得られます。

このうち「一般的記憶」は、

  • 「言語性記憶」
  • 「非言語性記憶」

を測定する、2つの下位得点に細分化されます。

そして4つの遅延再生課題(項目10~13)からは、「遅延再生」の合成得点が得られます。

この合成得点を、標準化された指標得点に換算することで結果を算出します。

さいごに

本記事では、『WMS-Rの評価と結果の解釈』をテーマに、

  • ウェクスラー記憶検査の概要
  • 検査の特徴
  • 実施上の注意点
  • 下位検査項目の概要
  • カットオフ値
  • 結果の解釈

について解説しました。いかがでしたでしょうか。

評価の概要について知ったうえで、実際の検査バッテリーで繰り返し練習することが大切です。

本記事を、今後の学習に役立てていただければ幸いです。

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