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【記憶障害に対する評価】ウェクスラー記憶検査の概要について

N君

記憶障害に対する評価について、
くわしく勉強したいな!

カピまる

今回は『ウェクスラー記憶検査』の
概要について解説していくね!

記憶障害とは、それまでに知識や出来事として認識していた言葉や事柄といった情報を思い出せなくなってしまう症状のことです。

記憶障害が日常生活に与える影響はとても大きく、適切な支援を行ううえで、きちんと評価を行うことが極めて重要です。

そこで今回は、代表的な評価スケールである『ウェクスラー記憶検査』について解説していきます。

  • 記憶障害に対する評価方法について学びたい!
  • 『ウェクスラー記憶検査』の概要について知りたい!
  • 臨床場面での実施を検討している!

上記のような方は、ぜひ参考にしていただき、今後の学習に役立ててください!

この記事を書いた人

<プロフィール>

  • ✔ カピまるブログ運営者
  • ✔ 2年目作業療法士
  • ✔ 仕事と暮らしの情報発信中
  • ✔ 愛用テーマ: SWELL
カピまるです!
目次

ウェクスラー記憶検査の基礎知識

ウェクスラー記憶検査(WMS-R)は、16歳~74歳までの青年および成人の記憶に関する評価スケールとして使用されています。

認知症を始めとする、様々な疾患における記憶障害の有無とその程度を総合的に評価することができます。

主な検査項目

ウェクスラー記憶検査は、以下13の下位検査で構成されています。

  • 情報と見当識
  • 精神統制
  • 図形の記憶
  • 論理的記憶Ⅰ
  • 視覚性対連合Ⅰ
  • 言語性対連合Ⅰ
  • 視覚性再生Ⅰ
  • 数唱
  • 視覚性記憶範囲
  • 論理的記憶Ⅱ
  • 視覚性対連合Ⅱ
  • 言語性対連合Ⅱ
  • 視覚性再生Ⅱ
N君

一概に記憶障害と言っても、
色んな項目があるんだね・・・

検査は主に、言語性課題と図形を用いた非言語性(視覚性)の課題で構成されています。

各検査項目の構成について

ウェクスラー記憶検査は、以下のような構成になっています。

  • 項目1   …「全般的な精神状態」に関する検査
  • 項目2~9 …「短期記憶とその再生」に関する検査
  • 項目10~13 …「記憶の遅延再生」に関する検査

項目1「情報と見当識」は、それぞれの下位検査に先立つ項目です。

ここでは、まずはじめに全般的な精神状態を把握するための質問を含んだ検査を行います。

その後の下位検査では、

  • 「短期記憶とその再生」
  • 「記憶の遅延再生」

について検査を行います。

( ※時間の都合上「記憶の遅延再生」を省略し、「WMS-Rの短縮版」とすることも可能です。)

検査の特徴

ウェクスラー記憶検査の特徴は、以下のとおりです。

  • 記憶に関する様々な側面を評価できる
  • 認知症の他、多くの疾患に対して使用できる
  • 国内外で広く使用されている
  • 一部項目を省略することができる
  • 約45分~60分程で検査できる
  • 幅広い年齢層の方に使用出来る

各項目のうち、一部抜粋してご紹介していきます。

記憶に関する様々な側面を評価できる

ウェクスラー記憶検査は、総合的な評価バッテリーとして広く使用されています。

具体的には、

  • 短期記憶
  • 長期記憶
  • 言語性記憶
  • 非言語性記憶
  • 即時記憶
  • 遅延再生記憶

主にこの6項目について評価することができます。

1つの検査でさまざまな機能を評価できるため、被験者の方の負担の軽減にもつながります。

一部項目を省略することもできる

ウェクスラー記憶検査では、「短期記憶」→「長期記憶」の順番に評価します。

そのため、

  • 実施時間が限られている
  • 「遅延再生」の評価は必要ない

という場合には、「記憶の遅延再生」に関する10~13項目を省略することができます。

臨機応変に対応できるのも、この検査の大きな特徴です。

幅広い年齢層の方に使用できる

ウェクスラー記憶検査の適用年齢は、16歳~74歳と公表されています。

そのため、

  • 病院
  • 大学
  • リハビリ施設

といたさまざまな場所で、幅広く活用されています。

リハビリ職員として臨床で働くとなれば、使用する機会があるのではないかと思います。

検査を行う上での注意点は3つ!

検査を行う上での注意点は、以下の3つです。

  • スクリーニング検査の類ではない
  • 静かで集中できる環境を整える必要がある
  • 検査に伴う疲労について配慮する

それぞれ順番に解説していきます。

スクリーニング検査の類ではない

ウェクスラー記憶検査は、スクリーニング検査ではありません。

MMSEやHDS-Rのように、誰でも簡単に行うことはできないので注意が必要です。

検査機器の販売については、

  • 医療
  • 教育
  • 福祉

といった、専門機関に限定されます。

それ以外の機関で使用する場合には、専門家の指導のもとで行う必要があります。

下位検査の内容

それぞれの下位検査の内容について、簡単にまとめていきます。

情報と見当識

被験者本人に関すること、見当識、および長期記憶から引き出される一般的な知識といった、簡単な質問から構成されます。

全般的な精神状態を把握出来るのでスクリーニングとしての使用が有効であるとされています。

※具体的な指標の算出には用いられません。

精神統制

普段から日常生活の中で慣れ親しんでいる、数字や文字の系列を繰り返す課題です。

図形の記憶

まず初めに、抽象的な模様を一定時間注視します。

そしてその後に、多くの模様の中から記憶した模様を識別するといった課題です。

論理的記憶Ⅰ

まず初めに、検査者が読む短い物語を聞いてもらいます。

そしてその後に、どのような話だったか内容を思い出しながら検査者に口頭で説明するといった課題です。

視覚性対連合Ⅰ

まず初めに、それぞれ異なった図形と色の対を見てもらいます。

そしてその後に、呈示された図形と対になっていた色を指し示してもらうといった課題です。

言語性対連合Ⅰ

まず初めに、1群8つの単語の対が読まれます。

そしてその後に、読み上げられた単語を聞いて対のもう一方の単語を答えるといった課題です。

視覚性再生Ⅰ

まず初めに、幾何学図形を一定時間見てもらいます。

そしてその後に、記憶を頼りにその図形を思い出して描いてもらうといった課題です。

数唱

検査者が読み上げた数字を同じ順に繰り返す課題(順唱)と、読み上げられた順と逆に繰り返す課題(逆唱)で構成されます。

視覚性記憶範囲

検査者がカード上の四角形に順番に触れるのを見て、同じ順序で触れる課題と、逆の順序で触れる課題です。

「8.数唱」課題の視空間的(視覚的)課題バージョンです。

論理的記憶Ⅱ

先に実施した「4.論理的記憶Ⅰ」の物語を思い出して、再度検査者に対し説明する課題です。

視覚性対連合Ⅱ

先に実施した「5.視覚性対連合Ⅰ」の図形を見て、それと対になっていた色を指し示す課題です。

言語性対連合Ⅱ

先に実施した「6.言語性対連合Ⅰ」で読み上げた単語の対の一方を聞き、それと対になっていた単語を答える課題です。

視覚性再生Ⅱ

先に実施した「7.視覚性再生Ⅰ」の図形を、記憶を頼りに描く課題です。

カットオフ値について

WMS-Rでは、100点を中心(標準値)として、±15点を正常値をして定めています。

具体的な点数の算出方法に関しては検査バッテリー内に記載があるので、就職後にご自身で確認するようにしてください。

(※ サイト上に評価用紙等を貼るのは×なのでご容赦ください。。)

結果の解釈について

WMS-Rでは、8つの下位検査(項目2~9)を通して

  • 「一般的記憶」
  • 「注意 / 集中力」

という2つの主要な合成得点が得られます。

このうち「一般的記憶」は、

  • 「言語性記憶」
  • 「非言語性記憶」

を測定する、2つの下位得点に細分化されます。

そして4つの遅延再生課題(項目10~13)からは、「遅延再生」の合成得点が得られます。

この合成得点を、標準化された指標得点に換算することで結果を算出します。

さいごに

本記事では、『ウェクスラー記憶検査』をテーマに解説しました。

記憶障害が日常生活に与える影響はとても大きく、適切な支援を行ううえで、きちんと評価を行うことが極めて重要です。

総合的な評価スケールである『ウェクスラー記憶検査』は、臨床でも使用する機会が多くあるため、今一度概要などについて確認しておきましょう。

以下の記事では、記憶障害に対するその他の評価スケールについて、くわしく解説しています。

今回は以上になります。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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