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【回復する?しない?】脊髄損傷の残存機能と機能的予後について

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N君

脊髄損傷って回復するの・・?どう関わるべきなんだろう。

カピまる

脊髄損傷における残存機能と予後について解説していくよ!

「脊髄損傷」というと、

  • 症状は回復する?しない?
  • どのような活動ならできるの?
  • どのように支援を行うべきなの?

こうした疑問をお持ちの方も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、「脊髄損傷の残存機能と機能的予後」をテーマに解説していきます。

本記事を一通り読めば、対象者ご本人のみならず、支援を行う方々が感じる上記のような疑問を、少しでも解消できるはずです。

ぜひ本記事を参考にしていただき、今後の学習・暮らしに役立ててください!

この記事を書いた人

<プロフィール>

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目次

脊髄損傷は回復する?しない?

結論、現時点では「完全に回復することは難しい」と言われています。

受傷後に「今後ずっと車椅子での生活となります」と宣告されることも少なくありません。

損傷した神経は元の状態に戻らない

このように言われる理由の1つが、「一度損傷してしまった神経は元の状態に戻らない」からです。

脊髄を含む中枢神経系は末梢神経とは異なり、一度損傷すると修復・再生されることは無い
現代の医学でも、これを回復させる決定的治療法は未だ存在しない。   脊髄損傷 – Wikipedia

近年の研究で最も有望視されているものの1つが、「再生医療」です。

骨髄や神経細胞を用いた神経再生の試みですが、まだまだ研究段階であり、実用化はまだ当分先になると思われます。

残存機能と可能なADL動作

脊髄損傷では、損傷した脊髄の高位や部位、程度によって、出現する症状はさまざまです。

そのため、障害された髄節レベルに応じて、残存する機能と可能なADL動作が把握できます。

これを一般に、「機能的予後」と言います。

脊髄損傷者の残存機能とADL到達可能動作について、以下にまとめていきます。

例:頸髄損傷者

レベルKey Muscle残存する運動機能到達可能な動作福祉用具
C1-3表情
舌の動き
頭部の前屈・回転
ベッド上での生活
全介助
電動車椅子
人工呼吸器
C4肩甲挙筋呼吸
肩甲骨挙上
下顎での車椅子操作
会話が可能
全介助
電動リフター
電動ベッド
マウススティック
ヘッドポインタ
C5三角筋
上腕二頭筋
腕橈骨筋
肩関節屈曲・外転・伸展
肘関節屈曲・回外
車椅子駆動可能
自助具での食事
大部分介助
車椅子用手袋
(手関節固定)
手関節固定装具
C6肩関節内転
肘関節屈曲・回内
手関節背屈(伸展)
橈側手根伸筋
長短橈側手根伸筋
大胸筋
前鋸筋
車椅子駆動可能
(自動車運転)
自助具での書字
中等度~一部介助
万能カフ
スライディングボード
座薬挿入器
自己導尿用カテーテル
更衣用ループフック
C7肘関節伸展
手関節掌屈(屈曲)
指の伸展
上腕三頭筋
指伸筋
橈側手根屈筋
車椅子駆動可能
一部介助~ADL自立
手すり
座薬挿入器
C8指の屈曲
手の巧緻動作
手指屈筋車椅子駆動可能
ADL自立

例:胸髄損傷者

レベルKey Muscle残存する運動機能到達可能な動作福祉用具
T1指の屈曲
手の巧緻動作
手指屈筋車椅子駆動可能
ADL自立
車椅子
T2~T6呼吸予備力増大
上部体幹の安定性
車椅子駆動可能
ADL自立
車椅子
T7~T12骨盤帯挙上
体幹の屈曲
介助で歩行可能
実用的には車椅子
ADL自立
長下肢装具
松葉杖

例:腰髄・仙髄損傷者

レベルKey Muscle残存する運動機能到達可能な動作福祉用具
L1~L3股屈筋群
膝伸展筋群
股関節屈曲
膝関節伸展
介助で歩行可能
実用的には車椅子
ADL自立
長下肢装具
松葉杖
L4足背屈筋群足関節背屈(伸展)実用歩行可能
ADL自立
短下肢装具
一本杖
L5足指伸展筋群股関節伸展
膝関節屈曲
実用歩行可能
ADL自立
短下肢装具
一本杖
S1足底屈筋群足関節底屈(屈曲)実用歩行可能
ADL自立
短下肢装具
一本杖

ここでいうレベルとは、いわゆる「脊髄損傷高位」を示しています。

例:「C4損傷=C5以下の障害⇒呼吸機能(C4の運動機能)は残存」ということを意味します。

支援を行う際のポイント

脊髄損傷に対する支援を行う際に大事になるのが、リハビリテーションと合併症の管理です。

脊髄損傷のリハビリテーション

受傷後、急性期を過ぎたらなるべく早くリハビリテーションを行うことが望ましい。

脊髄損傷のリハビリテーションとは失われた機能を回復させることではない。主な目的は、車椅子の操作などに習熟し、残された機能を最大限に使う訓練をすることである。

脊髄損傷者に対するリハビリテーションの実施については、上記のとおり推奨されています。

ここで大切なことは、以下の2点です。

  • リハビリテーションの目的は失われた機能の回復ではない
  • ADL動作を習得し、残された機能を最大限に活用できるようになること

在宅での生活を送り、社会復帰を果たせるような支援を行います。

長期的な視点を持って、地道にリハビリを継続していくことが重要です。

合併症の管理

脊髄損傷に伴う主な合併症は、以下のとおりです。

  • 褥瘡
  • 排尿障害
  • 呼吸器障害
  • 循環器障害
  • 消火器障害

リハビリテーションの中で日常生活動作の獲得に加えて、合併症の管理を自立させることが重要です。

脊髄損傷による神経障害は、運動麻痺や感覚障害だけではなく、呼吸器や循環器といった様々な臓器障害を引き起こします。

この中でも特に重要で、二大合併症と呼ばれる「褥瘡」「排尿障害」について解説します。

褥瘡

「褥瘡」とは、長時間同じ体勢でいることを原因とした血流障害による皮膚壊死のことです。

脊髄損傷では、

  • 運動麻痺により、自力で体勢を変えられない
  • 感覚障害により、痺れや痛みを感じない

こうしたことが影響し、褥瘡の発生につながります。

脊髄損傷では、神経の損傷に伴って皮膚再生能力も落ちているため、長期間入院加療が必要となることも珍しくありません。

在宅生活を送るためには、褥瘡を発生させないことが非常に重要です。

予防法としては、定期的に身体を持ち上げる(プッシュアップ)、頻繁な体位交換等が挙げられます。

入院中のリハビリテーションではこうした動作の獲得を目指し、動作練習を行ったりします。

排尿障害

「排尿障害」は、膀胱直腸障害とも呼ばれます。

膀胱や尿道およびその括約筋を支配する神経には、下腹神経や骨盤神経、陰部神経といった様々な神経が関与しています。

脊髄損傷によって神経障害が生じると、尿意を感じにくくなったり自力で排尿することが困難となります。

そのため、多くの方が自己導尿用カテーテルを使用して導尿を行います。

この際、カテーテルを介して雑菌が尿道や膀胱に入り、炎症や敗血症といった尿路感染症の原因となります。

こうした感染症を引き起こさないためにも、排尿時には手指や器具の清潔を徹底する等、自己管理を行えるように練習することが非常に重要です。

さいごに

本記事では、「脊髄損傷に対する評価」をテーマに、脊髄損傷の基礎的な概要部分について、

  • 症状は回復する?しない?
  • どのような活動ならできるの?
  • どのように支援を行うべきなの?

上記のようなお悩みにお答えする内容で解説しました。

障害レベルに応じた機能的予後(到達可能なADL動作)を理解し、その獲得を目指した支援を行うことが重要です。

以下の記事では、脊髄損傷の概要などについて解説していますので、あわせてご覧ください。

今回は以上です。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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