ADL機能に対する評価について勉強したいなぁ。
それならFIMについて解説しよう!
リハビリテーション分野では、障害をかかえながら環境に適応することが大きな目標の1つとなります。
そのためには、生活課題と呼ばれる、
- 身辺活動
- 移動
- コミュニケーション
- 家事
- 地域生活
といった日常生活活動(ADL)を評価することは、重要な意味を持ちます。
今回は、こうしたADL機能に対する主要な評価スケール「FIM」について解説していきます。
本記事を一通り読めば、FIMの概要について誰でも理解できるはずです!
- ADL機能に対する評価方法を知りたい!
- 『FIM』の概要について勉強したい!
- 臨床場面での実施を検討している!
上記のような方は、ぜひ参考にしていただき、今後の学習に役立ててください!
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FIMの基礎知識
FIMとは、機能的自立度評価法(Functional Independence Measure)の略称です。
現在では、国内外で最も一般的に使用されているADL評価の1つとされています。
主な検査項目
FIMは、以下①運動13項目、②認知5項目 の計18項目から構成されます。
運動項目
- 食事
- 整容
- 清拭
- 更衣(上半身)
- 更衣(下半身)
- トイレ動作
- 排尿管理
- 排便管理
- ベッド⇔椅子⇔車椅子 各間の移動
- トイレ
- 浴槽、シャワー室へ(から)の移乗
- 歩行(屋内、屋外)
- 車いす
- 階段昇降
認知項目
- 理解
- 表出
- 社会的交流
- 問題解決
- 記憶
採点基準について
FIMの採点基準は、以下のように定められています。
採点基準 | 介助者 | 介助 | 内容 |
---|---|---|---|
7:完全自立 | 不要 | 不要 | |
6:修正自立 | 不要 | 不要 | 時間を要す、補助具が必要、安全性の配慮 |
5:監視・準備 | 必要 | 不要 | 監視、指示、促し、準備 |
4:最小介助 | 必要 | 必要 | 75%以上を自分で行う |
3:中等度介助 | 必要 | 必要 | 50%以上~75%未満を自分で行う |
2:最大介助 | 必要 | 必要 | 25%以上~50%未満を自分で行う |
1:全介助 | 必要 | 必要 | 25%未満しか自分で行わない |
全18項目について、完全自立~全介助の程度に応じて、7段階(1~7点)で採点します。
まず初めに、「介助者の有無」によって「6点以上or5点以下」の判定を行います。
6(修正自立)と7(完全自立)の判断基準
6点と7点の違いについては、
- 活動に要する時間
- 補助具の有無
- 安全性への配慮の必要性
に応じて、それぞれ判定を行います。
5(監視・準備)以下の判断基準
介助者が必要(5点以下)の場合、
- 5点…監視や促しのみで可能な場合
- 4点…75%以上を自力で行う
- 3点…50%以上~75%未満を自分で行う
- 2点…25%以上~50%未満を自分で行う
- 1点…25%未満しか自分で行わない
このように、4点以下は「介助量の程度」で判定します。
「行ってない」、「安静度や療養上の理由等で行えない」といった場合には、1点となります。
検査の特徴
FIMの特徴は、以下のとおりです。
- 対象年齢は7歳以上
- 日常生活活動のうち、「しているADL」を評価する
- 介助量の測定を目的としている
- すべての病気・障害に対応した評価である
- 世界的に広く使用されている
- 医療従事者以外でも使用することができる
※「しているADL」=日常生活で実際に行っている動作能力
※「できるADL」 =リハビリや動作テスト等で行っている動作能力
「できるADL」=【その人の最大能力を発揮している状態】であり、日常的には行えていない活動が含まれます。
採点例のご紹介「食事」
参考までに、「食事」の採点例についてご紹介します。
得点 | 内容 |
---|---|
7:完全自立 | すべての性状の食物を皿から口まで運び、咀嚼し嚥下が可能 |
6:修正自立 | 時間を要する(通常の3倍程度)、 補助具を要する、 部分的に非経口的栄養に頼る、 自分で準備・片付けが可能 |
5:監視・準備 | 準備や監視を要する、 補助具の着脱に介助を要する、 運ばれた食物を刻んでもらう |
4:最小介助 | 食事動作の75%以上を自分で行う |
3:中等度介助 | 食事動作の50%以上~75%未満を自分で行う |
2:最大介助 | 食事動作の25%以上~50%未満を自分で行う |
1:全介助 | 食事動作の25%未満しか自分で行わない |
事前に食事が用意された状態から、
- 食事の準備
- 口に運ぶ動作
- 咀嚼・嚥下機能
について評価を行います。
経管栄養の場合、栄養注入を自力で行っている場合は「6:修正自立」ですが、全面的に介助の場合は「1:全介助」です。
- 「準備」とは、エプロンの着脱、食べこぼしの後始末のこと
- 配膳、下膳といった動作は含まない
- 箸を使わないことによる減点はない
結果の解釈
FIMは、対象者のADL機能に対する自立度と介助量を点数で把握することができます。
そのため、
- 現状生活における課題の発見
- 治療・ケア計画の立案
- 入院時・退院時の効果判定
などの指標として用いられています。
治療・ケアを通して運動・認知機能に対しどの程度変化が生じたのか、細かく把握できます。
さいごに
今回は、ADL機能に対する評価スケール「FIM」について解説しました。
リハビリテーション職員として関わる上で、日常生活活動(ADL)について評価を行うことは、極めて重要です。
特に使用する機会が多い評価ですので、今一度概要について整理しておくことをおススメします。
以下の記事では、ADL機能に対するその他の評価スケールについて、くわしく解説しています。
今回は以上です。最後までご覧いただき、ありがとうございました。