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【マラソン後半の吐き気・腹痛を防ぐ】胃腸トレーニングのメカニズムと具体的ステップ

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かぴまる

マラソン後半になってくると、胃がムカムカして苦しくなるんだよなぁ。本番で失敗しないために、どんな対策ができるんだろう・・?

今回は、こうした悩みに答えます。

本記事の内容
  • 『胃腸トレーニング』が必要なワケ
  • 胃腸が適応(成長)するメカニズム
  • 具体的な胃腸トレーニング4ステップ

こんにちは、かぴまるです。

僕自身も月間350kmほど、サブ40(フルマラソン2時間40分切り)を目標にランニングを楽しんでいます。

この記事を読んでいる皆さん、

  • 胃がムカムカして、補給ジェルを摂取できなかった
  • 水分を摂ると、胃が重い感じがして走れない
  • 補給を控えたら、後半見事にガス欠してしまった

といった経験をしたことはありませんか?

レース本番に向けて何ヶ月もトレーニングに励み、足腰や心肺機能を鍛えたにもかかわらず、こうした胃腸のトラブル(GI症状)によって目標を阻まれるのは本当に悔しいものです。

実は、近年のスポーツ栄養学において、「胃腸は筋肉と同じようにトレーニングで鍛えることができる(Training the Gut)」という事実が明らかになっています。

その論文がこちら↓

本記事では、こちらの論文を元に、胃腸が適応する科学的メカニズムと明日から実践できる「胃腸トレーニング」の具体的ステップを徹底解説します!

この記事を書いた人

<プロフィール>

  • カピまるブログ運営者
  • half PB:1時間16分22秒
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  • マラソン3回目でサブエガ!
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目次

『胃腸トレーニング』が必要なワケ

『胃腸のトレーニング』が必要なワケ

はじめに、胃腸のトレーニングが必要なワケについて解説します。

胃腸トラブルは、約30〜50%の人が経験する

マラソンなどの長時間の運動中、カラダの中では非常に過酷な変化が起きています。

走ることに集中するため、血液は脚などの骨格筋へ優先的に送られ、内臓への血流(内臓血流)は大きく減少します。

それに加えて、高気温や脱水といった要素が加わることで、胃腸の働きは平常時よりも著しく低下します。

調査によると、マラソンなどの競技に参加するアスリートの約30〜50%が定期的に何らかの胃腸障害を経験しているとされています。

補給をエネルギーに変えるのは、『胃腸の消化・吸収力』

マラソンで3時間切(サブ3)やサブ2.5、あるいは100kmのウルトラマラソンを目指す場合、体内に蓄えられたグリコーゲンだけではエネルギーが枯渇します。

そのため、走行中に外部から炭水化物(エネルギージェルやドリンク)や水分を補給することが不可欠です。

ですが、胃腸で正しく消化・吸収されなければ、筋肉のエネルギーとして使うことはできないのです。

吸収されずに胃や腸に残った糖質や水分は、胃の中で不快な膨満感を引き起こしたり、腸内で高滲透圧を引き起こして下痢(浸透圧性下痢)や腹痛の直接的な原因になります。

つまり、脚力や心肺機能だけでなく「補給を受け入れ、エネルギーに変換する胃腸の力」こそが、レース後半の粘りを左右するのです。

胃腸が適応(成長)するメカニズムについて

胃腸が適応(成長)するメカニズムについて

胃腸は非常に柔軟な器官であり、適切な負荷を与えることで数日から数週間という短期間で劇的に構造や機能が適応(成長)します。

論文では、主に「胃」と「小腸」の2つの器官における適応メカニズムが示されています。

①:胃のトレーニング:容量拡大、排泄スピード向上

運動中に水分や補給食を摂ったとき、「胃に溜まって重い」と感じる原因には、

胃の壁が伸びにくくなっている

胃の排泄能力(胃排泄速度)の低下

ということが挙げられます。

胃の容積拡張と感覚の慣れ

フードファイターが短時間で大量の食べ物を平らげられるのは、普段から大容量の食事や水分を摂ることで胃の適応を起こしているからです。

アスリートも同様に、普段から多めの水分や固形物、あるいは満腹に近い状態での走行に慣れさせることで、胃の壁が拡張しやすくなり、「胃に物が入っている不快感・張り感」に対する閾値が上がります(=苦しく感じにくくなる)。

胃の排泄速度向上

特定の栄養素(糖質や脂質)を日常的に多く摂取すると、その栄養素に対する胃の排出センサーが慣れ(受容体の脱感作)、胃から小腸へ内容物を送り出す速度(胃排泄速度)が速くなることが証明されています。

②:小腸のトレーニング:糖吸収ゲート『SGLT1』を増やす

胃から送り出された糖質は、小腸(十二指腸〜空腸)で吸収されて血液中に入り、筋肉へ運ばれます。

このとき、小腸の壁で糖をキャッチして体内に取り込むドアの役割を果たしているのが「トランスポーター(輸送タンパク質)」です。

SGLT1トランスポーターの増加

ブドウ糖(グルコース)を吸収するのは、ナトリウム依存性グルコース輸送体1(SGLT1)というトランスポーターです。

このSGLT1の数は、固定されているわけではありません。

小腸の表面にあるセンサー(味覚受容体T1R2/T1R3)が糖分を感知すると、シグナルが送られ、わずか数日から2週間程度の高炭水化物食によって、小腸のSGLT1の数と活性が約2倍に増加することが分かっています。

水分吸収の促進、下痢の防止

SGLT1は、ブドウ糖を吸い上げると同時にナトリウムと水分も一緒に引き込みます。

つまり、SGLT1の数が増えて糖の吸収能力が高まるということは、同時に小腸での水分吸収効率も飛躍的に高まることを意味します。

腸内に水分や余分な糖が残りにくくなるため、レース中の脱水予防だけでなく、下痢や差し込み通といったトラブルを根本から防げるのです。

【要注意】極端な糖質制限の落とし穴

【要注意】極端な糖質制限の落とし穴

近年、脂質代謝を高める目的で糖質制限を行うアスリートもいるようですが、論文ではこれに関して注意喚起がなされています。

日常的に炭水化物の摂取量を著しく減らすと、小腸のSGLT1トランスポーターの数が激減し、糖の吸収能力が低下してしまいます。

この状態でレース本番だけ高濃度のエネルギージェルを投入すると、小腸でまったく吸収できず、極度の胃腸障害を引き起こす原因になります。

『糖質制限を行っている選手ほど、レース中の胃腸トラブルを報告しやすい』という現象は、このメカニズムで説明がつきます。

具体的な胃腸トレーニング4ステップ

具体的な胃腸トレーニング4ステップ

それでは、実際にどのようにして胃腸を鍛えていけばよいのでしょうか?

論文で推奨されている手法をベースに、日々のトレーニングに組み込める4つのステップにまとめました。

胃腸トレーニング4ステップ

  • 毎日の食事で『高炭水化物』の基礎を作る
  • トレーニングの中で補給を実践する
  • 『多めの水分補給』『食後すぐラン』に慣れる
  • 本番を想定した補給プランを試す

それぞれ順番に見ていきましょう。

①:毎日の食事で『高炭水化物』の基礎を作る

まずは、小腸のSGLT1トランスポーターを増やすための基礎作りです。

目標とするレースの2〜3週間前から、日常の食事における炭水化物の割合を意識的に高めます(エネルギー比率で全体の60〜70%程度)。

主食(白米、うどん、パスタ、オートミールなど)をしっかり食べ、カラダに対して『糖を吸収するドアを増やせ!』というシグナルを常に出し続けることが重要です。

②:トレーニングの中で補給を実践する

かぴまる

補給ジェルって高いし、レース本番だけ使えばいいよね・・?

と考えている方も多いと思いますが、これは胃腸トレーニングの観点からは逆効果です。

ロングジョグや強度の高いポイント練習の際にも、本番で使う予定のエネルギージェルやスポーツドリンクを定期的に(例:20〜30分おきに)摂取する習慣をつけましょう。

運動中の低血流下で糖質を消化・吸収する練習を繰り返すことで、本番の負荷に胃腸が耐えられるようになります。

N君

お金はかかるけど、その分トレーニング効果を高められるからメリットも大きいよ!

③:『多めの水分補給』『食後すぐラン』に慣れる

胃の容量を広げ、拡張時の耐性を高めるためのトレーニングです。

水分を多めに飲んで走る

ジョグの直前にコップ1〜2杯の水を多めに飲み、胃に水分が溜まった状態で走る練習を行います。

最初は胃がチャプチャプして不快に感じますが、回数を重ねることで胃が引き伸ばされる感覚に慣れ、不快感が軽減していきます。

食後すぐのジョグ(食後ラン)

朝食や昼食を食べ終わった後、15〜30分程度しか空けずに軽いジョグを開始します。

消化活動が行われている状態で動くことに胃腸を慣らすことで、レース中の胃もたれや張り感を劇的に抑えられるようになります。

高強度のインターバル走などで行うと吐き気を催すため、必ず低強度のEペースジョグで行いましょう。

④:本番を想定した補給プランを試す

レースの2〜3週間前には、本番を想定した補給も含めたトレーニングを行いましょう。

使用するジェルは、ブランド・味・摂取するタイミング・給水量など、レース本番と同じ形で実行します。

事前にシミュレーションしておくことで、自分の胃腸が1時間あたり何グラムの炭水化物まで耐えられるのか(限界値)を把握できます。

そうすれば、レース中に『予定していたジェルが甘すぎて気持ち悪くなった』『お腹がタポタポになった』といった失敗を防げます。

まとめ:『胃腸力』を高めることも超重要!

まとめ:胃腸力を高めることも超重要

以上、胃腸のトレーニングの概要・具体的な実践ステップについてでした。

さいごにもう一度おさらいしておきましょう。

本記事のポイントまとめ

  • 胃腸トラブルは、体質によるものとは限らない
  • 日頃の高炭水化物食と補給練習で鍛えられる
  • トレーニング期間は2~3週間ほど要する
  • 胃排泄速度の向上・膨満感軽減・下痢防止が期待できる

ランニングのトレーニングというと、月間走行距離を伸ばすことや、インターバルの設定タイムを上げることに目が向きがちです。

しかし、どれほど強力なエンジン(心肺・筋肉)を積んでいても、燃料(炭水化物)をスムーズに給油・燃焼できなければ、車は途中で止まってしまいます。

胃腸もトレーニングで育てる

という視点を日々のトレーニングに取り入れることが大切です。

本記事で紹介した4つのステップを参考にしながら、ぜひ胃腸トレーニングに取り組んでみましょう!

今回は以上です。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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