こんにちは、カピまるです。
今回は、注意障害に対する評価スケール『MARS』について解説します。

注意障害に対する評価で、
MARSについて知りたいです!

評価の概要や結果の解釈について
くわしく教えてください!
上記に該当する方は、ぜひ最後までご覧いただき、今後の学習に役立てて下さい。
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MARSの概要

MARS(Moss Attention Rating Scale)は、外傷性脳損傷患者を対象とした評価法です。
MARSは、主に行動観察によって評価を行います。
病期を問わず、急性期~慢性期まで幅広く使用することができます。
検査の構成
検査は全22項目から構成され、1~5段階で評価されます。

- 1=「明らかに当てはまらない」
- 2=「大部分で当てはまらない」
- 3=「時には当てはまるが、時には当てはまらない」
- 4=「大部分で当てはまる」
- 5=「明らかに当てはまる」
3つの因子項目
検査項目には、
- 落ち着きのなさ/注意散漫(Restless/Distraction)
- 開始(Inhibition)
- 持続性/一貫性(Sustained/Consistent)
という3つの因子項目が存在し、それぞれ因子得点(因子合計÷項目数)を算出します。
各因子と項目の関係は、以下のとおりです。
因子 | 項目 | 因子合計 | 因子得点 |
落ち着きのなさ/注意散漫 | 1, 10, 12, 17, 22 | /25 | /5 |
開始 | 7, 13, 19 | /15 | /5 |
持続性/一貫性 | 6, 14, 15 | /15 | /5 |
実施上の注意点

MARS実施上の注意点は、以下のとおりです。
- 少なくとも2日以上の観察から評価を行う
- すべての項目に回答する必要がある
- 答えに確信がない場合は、当てはまると思うものを回答する
- 項目の中には、逆転項目が含まれている
先ほども述べましたが、MARSは注意障害に対する行動観察評価スケールです。
対象者の行動観察について、少なくとも2日以上の観察から評価を行う必要があります。
逆転項目には注意が必要

逆転項目って何だろう…?
MARSに含まれる逆転項目は、以下の表のうち(R)が付いた14項目です。

逆転項目については、「6ー評定点」をMARSスコアとして算出します。
結果の解釈について

MARSでは、「全項目の合計得点」=「総合得点」となります。
総合得点は、22点~110点の範囲で値を取ります。
そして、点数が高いほど注意機能が良好であることを示します。
この総合得点は、「logit score」に変換されます(以下「logit score換算表」参照)。

さいごに
本記事では、注意障害に対する評価スケール『MARS』について解説しました。
臨床でも使う機会がある評価ですので、今一度概要について復習しておきましょう。
本記事を、今後の学習に役立てていただければ幸いです。
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