臨床実習の単位が取れるか不安です。そもそも実習の成績って、どうやって評価されるんですか?評価項目や採点基準について教えてほしいです。
こうした疑問に答えます。
作業療法学生にとって、在学中の一大イベント「臨床実習」。
- 単位がもらえるか不安
- 合格できなかったらどうしよう
このような不安でいっぱいの方も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、そもそもどのような方法で成績評価されるのか知っていますか?
ポイントを知っているかどうかで、実習中の不安は大きく軽減されますし、自信をもって実習に臨むことができるはずです。
そこで今回は、「作業療法臨床実習における成績評価のポイント」について解説します。
本記事でご紹介するポイントを踏まえて準備をすれば、実習の合格は間違いありません。
- 実習に向けて何を準備すればよいか分からない
- 成績評価のポイントを知りたい
- 実習への不安を少しでも減らしたい
上記に該当する方は、ぜひ最後までご覧いただき、今後の学習の参考にしてください。
成績評価の重要ポイント5選
作業療法臨床実習においては、以下の5つの項目で成績評価を行います。
- 評価方法の選択および実施
- 障がい像の整理と目標の設定
- 治療プログラムの立案
- 記録、報告
- 職業人としての適性
5つの項目それぞれの内訳について、以下にまとめます。
実習指導者の先生方は、以下の内訳の可否によって、成績評価を行います。
これを知っているだけでも、実習の不安は大きく減るね!
きちんと確認しておけば、合格は間違いないよ!
項目①:評価方法の選択および実施
- 疾患に関する専門基礎科目の知識を列挙できる
- 適切な情報収集を行い、検査・測定を選択できる
- 評価手順の計画を立てることができる
- 検査・測定の目的、方法について説明できる
- 選択した評価法を、指導者の指導のもと実施できる
- 評価内容や結果を記載し、口頭で説明できる
項目②:障がい像の整理と目標の設定
- 評価結果から、障がい像を整理できる
- 収集した情報から、問題点を列挙できる
- リハビリテーションゴール(目標)を設定できる
項目③:治療プログラムの立案
- 到達目標に向けて、治療プログラムを設定できる
- 適切な治療手段を選択できる
- 対象者に合わせて、実施順序や段階付けを行える
項目④:記録、報告
- 毎日、必要な記録を作成できる(実習記録など)
- 必要な記録を期限内に提出できる
- 指導を受けて、記録を修正することができる
項目⑤:職業人としての適性
- 実習中に、対象者の秘密保持を行うことができる
- 患者や家族の気持ちに寄り添い、支えようと努力できる
- 適切な関係を持つことができる(挨拶、態度など)
- 職場の環境整備に気を配ることができる
- 作業療法に対する探求心、創造心を持つよう努力できる
- 学んだ知識を発揮しようと努力できる
- 基本的な規則を守ることができる
- 必要に応じて指導を求めることができる
- 課題を期限内に遂行できる
成績評価の方法について
次に、作業療法臨床実習の成績評価として、「採点基準」「評価の段階付け」について紹介します。
各項目の採点基準
それぞれの項目は4点満点で採点され、総得点は0点~100点です。
採点基準は、以下のとおり定められています。
- 4=判断力や適応力があり、少しの助言で目標を達成できた
- 3=知識や技術はあるが、助言や指導があれば目標を達成できた
- 2=知識が断片的で未熟だが、多くの助言や指導があれば目標を達成できた
- 1=多くの助言や指導でも、目標の達成には不十分であった
- 0=多くの助言や指導でも、目標を達成できなかった
点数に影響しているのが、実習指導者の先生からの「助言や指導の程度」と「目標達成の可否」です。
助言や指導が少なく実施できればできる程、点数が高くなっています。
また、目標を達成できれば2~4点、できなければ0~1点と採点されます。
「助言や指導を受けること=悪いこと」ではないんだ!
助言や指導を受けながら、目標を達成することが大切なんだね!
合格基準と評価の段階付け
合格点 | 評価の段階付け | 合否判定 |
---|---|---|
100~80 | 優(S) | 合格 |
79~70 | 良(A) | 合格 |
69~60 | 可(B) | 合格 |
59~0 | 不可(F) | 不合格 |
定期テストと同様に、60点以下は赤点(不合格)と判定されます。
先ほどの記載したとおり、臨床実習では評価項目が細かく設定されています。
どのようなポイントで評価されるか今一度確認し、しっかりと対策することが大切です。
最低限押さえておきたい4つの基本項目
これまでの説明を一通り読んでみたものの、
評価項目多すぎて対応できないんだけど、最低限これだけは押さえておくべき項目ってどれかな?
このような不安や疑問を感じた方も、中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方は、最低この4項目は確認しておきましょう。
- 挨拶、会釈を忘れない
- リスク管理を忘れない
- 報告、連絡、相談を忘れない
- 意欲的な姿勢で実習に取り組む
それぞれのポイントについて、以下にまとめます。
ポイント①:挨拶、会釈を忘れない!
臨床実習中は、患者さんや職員の方など、さまざまな方と関わる機会があります。
挨拶や会釈など、基本的なコミュニケーションは忘れずに行いましょう。
あの学生さん、全然挨拶しないなぁ。なんかいつも不機嫌そうだし。患者さんから悪く思われてないといいけど。
このように思われて、その後の実習が気まずくなってしまうのは非常にもったいないです。
挨拶や会釈は基本中の基本ですので、普段よりも意識して行うようにしてみましょう。
ポイント②:リスク管理を忘れない!
実習生といえど、リスク管理は欠かさず行う必要があります。
万が一事故が起きてしまったら、実習の成績がどうこうといったレベルでは済まなくなってしまいます。
- 患者さんへのサポートの仕方
- リハビリを行う環境への配慮
- 実習指導者への報告、連絡、相談
例えばこういったことを、リスク管理の一環として行ってみましょう。
そうした姿勢は、実習指導者の先生方からも評価されるはずです。
疑問や不安に思うことがあれば、「報告・連絡・相談」を欠かさずに行いましょう。
ポイント③:意欲的な姿勢で実習に取り組む!
臨床実習においては、
- 正しく評価ができたか
- きちんとレポートを作成できたか
といったことが評価のポイントになりますが、決してそれだけではありません。
その他にも、
- 患者さんや職員の方との接し方について学ぶこと
- 病院や施設における規則を守ること
- 課題の〆切を守ること
- 意欲的に学ぼうとする姿勢
- 指導者のもとで、適切に実習に取り組むこと
「社会性・基本的なルールの厳守」「学びの姿勢」についても重要視されています。
評価やレポートの作成の際、知識や技術が足りず、上手くできないのは当然です。
必死に調べながら、学ぼうという姿勢をもって取り組むことが大切です。
まとめ:作業療法臨床実習における成績評価の重要ポイント
以上、作業療法臨床実習における成績評価のポイントについて解説しました。
作業療法臨床実習においては、
- 社会性
- 基本的なルールの厳守
- 学びの姿勢
という3つのポイントが重要とされています。
本記事でご紹介したポイントを押さえた上で、実習への準備を進めていきましょう。
以下の記事では、臨床実習の概要について詳しく解説していますので、併せてご覧ください↓↓
今回は以上です。最後までご覧いただき、ありがとうございました。