こんにちは、カピまるです。
今回は、『バイタルサイン』をテーマに、概要と基準値について解説していきます。
バイタルサインは、介護や看護・在宅医療といった様々な臨床場面で活用されており、健康管理を行うために誰もが知っておくべき重要事項です。
日頃からしっかりと把握することで、客観的な数値データの収集・評価をすることはもちろん、症状の早期発見にも役立ちます。
ぜひ最後までご覧いただき、今後の日常生活に役立てていただければ幸いです。
バイタルサインの概要

バイタルサインとは、以下のとおり。
バイタルサイン(vital signs)は医学・医療用語であり、「vital=生きている」+「sign=兆候」。人間が生きている状態であることを示す兆候(=生命兆候)を意味する。
英語では「vital signs」と複数形で表記されるように、主に以下の5つが挙げられます。
- 脈拍
- 血圧
- 呼吸
- 体温
- 意識レベル
各種バイタルサインについて

それぞれのバイタルサインについて、概要と基準値について解説していきます。
脈拍
脈拍(pulse)とは、心拍出による動脈内の圧変動が末梢に伝わり、体表面から触診出来る拍動のことです。
つまり、「心臓から送り出された血液の拍動(心拍)の回数」を表しています。
脈拍を触れる主な部位は、以下のとおりです。

触診で最も一般的に使用されているのは、手首の親指側である橈骨動脈です。
脈拍の基準値
成人においては、毎分60~100拍が正常値とされています。
また、100拍/分以上の場合を頻脈、60拍/分以下の場合を徐脈と定めています。
乳幼児の場合、毎分120拍前後が正常値です。
加齢に伴って、脈拍数は徐々に減少していきます。
血圧
血圧(blood pressure)とは、血管内圧のことであり、血圧が血管壁に与える圧力を意味します。
測定部位は一般的に上腕部(上腕動脈)ですが、前腕(橈骨動脈)や下腿(後脛骨動脈)で測定されることもあります。
血圧の基準値
成人において、血圧は以下のように分類されています。
分類 | 最高血圧(収縮期血圧) | 最低血圧(拡張期血圧) | |
至適血圧 | < 120 | かつ | < 80 |
正常血圧 | < 130 | かつ | < 85 |
正常血圧高値 | 130~139 | または | 85~89 |
Ⅰ度高血圧 | 140~159 | または | 90~99 |
Ⅱ度高血圧 | 160~179 | または | 100~109 |
Ⅲ度高血圧 | ≧ 180 | または | ≧ 110 |
収縮期高血圧 | ≧ 149 | かつ | < 90 |
正常血圧は至適血圧・正常血圧・正常血圧高値の3段階、高血圧はⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度の3段階に分類されます。
血圧は正常者であっても様々な条件で変動し得るため、くり返し測定する場合は条件を揃えて実施する必要があります。
その代表例として日内変動がありますが、血圧は昼間に高く、夜間に低くなる傾向があります。
また病室や診療室のように、普段とは異なる環境で測定する場合には少し高い数値が出てしまうことが多いので、家庭内とは異なる高血圧の診断基準が設けられています。
最高血圧(収縮期血圧) | 最低血圧(拡張期血圧) | |
診察室血圧 | 140mmHg 以上 | 90mmHg 以上 |
家庭内血圧 | 135mmHg 以上 | 85mmHg 以上 |
呼吸
呼吸機能は、肺活量計やスパイロメーターを用いて測定しますが、毎日の臨床や緊急時には鼻孔や胸・腹部の動きを目視して観察します。
バイタルサインとしては、主に「呼吸回数」と「呼吸方法」について確認します。
呼吸の基準値
安静時の呼吸数は、成人で1分間あたり16~18回です。
また、毎分24回以上の場合を頻呼吸、11回以下を徐呼吸と言います。
- 安静時は腹式呼吸が主体だが、女性の場合、胸式呼吸が混合する場合がある
- チアノーゼの有無、意識レベル、喘鳴、息苦しさ、胸痛、咳や痰、脈拍の変化等について、同時に観察する
- チェーン-ストークス呼吸(無呼吸と多呼吸の繰り返し)では、脳血管障害等の中枢障害を疑う
- 下顎呼吸がある際には、生命予後が悪い(死期が近い)ことが予測出来る
- 過呼吸症候群等の神経症では、正常でも呼吸が深くなる場合がある
体温
体温は、一般家庭でも体調管理の指標の1つとして広く使用されているバイタルサインです。
測定出来る体温は、以下のとおりです。
- 腋窩温
- 口腔温、舌下温
- 食道温
- 直腸温
- 鼓膜温または外耳道温
一般的にヒトの体温と言われれば、上記のうち腋窩温を意味しますが、他にも測定しやすい口腔や直腸でも体温計を挿入して計測します。
日本人の平均値は、およそ36.5℃とされていますが、個人差や日内変動も大きい性質があります。
そのため検温をする際は、ご自身の平熱を把握しておき、そこからどの程度体温が変動したのかという点について意識するように注意しましょう。
意識レベル
意識レベルの評価には、主に『JCS』と『GCS』が用いられます。
↓↓詳細については、以下の記事にまとめました↓↓
さいごに
本記事では、『バイタルサイン』をテーマに、概要と基準値について解説しました。
バイタルサインは医療従事者のみならず、誰しもが理解すべき重要事項であり、自分や家族の健康管理に役立てることが出来ます。
本記事を通して理解を深め、今後の生活に活用していただければ幸いです。
今回は以上になります。最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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