ADL機能に対する評価について勉強したいなぁ。
それなら「Dask-21」について解説していくよ!
リハビリテーション分野では、障害をかかえながら環境に適応することが大きな目標の1つとなります。
そのためには、生活課題と呼ばれる、
- 身辺活動
- 移動
- コミュニケーション
- 家事
- 地域生活
といった日常生活活動(ADL)を評価することは、重要な意味を持ちます。
今回は、こうしたADL機能に対する主要な評価スケール「Dask-21」について解説していきます。
ADL機能に対する評価と言えば、「FIM」「Barthel Index」が有名ですが、その他の評価スケールについても知っておいて損はありません!
- ADL機能に対する評価方法を知りたい!
- 「Dask-21」の概要について勉強したい!
- 臨床場面での実施を検討している!
上記のような方は、ぜひ参考にしていただき、今後の学習に役立ててください!
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Dask-21の基礎知識
Dasc-21とは、Dementia Assessment Sheet for Community-based Integrated Care System-21の略称です。
日本語訳では、「地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート」となります。
主に、認知症を検出し重症度を評価するための評価スケールとして開発されました。
この評価法では、主に
- 認知機能障害
- 生活機能障害
の2つの側面について、評価することができます。
主な検査項目
Dask-21は、以下のような21の質問から構成されています。
- 財布や鍵など、物を置いた場所が分からなくなることがありますか
- 5分前に聞いた話を思い出せないことがありますか
- 自分の生年月日が分からなくなることがありますか
- 今日が何月何日か分からない時がありますか
- 自分のいる場所がどこだか分からなくなることはありますか
- 道に迷って家に帰ってこられなくなることはありますか
- 電気やガスや水道が止まってしまった時に、自分で適切に対処できますか
- 1日の計画を自分で立てることができますか
- 季節や状況に合った服装を自分で選ぶことができますか
- 1人で買い物はできますか
- バスや電車、自家用車などを使って1人で外出できますか
- 貯金の出し入れや、家賃や公共料金の支払いは1人でできますか
- 電話をかけることができますか
- 自分で食事の準備はできますか
- 自分で、薬を決まった時間に決まった分量を飲むことはできますか
- 入浴は1人でできますか
- 着替えは1人でできますか
- トイレは1人でできますか
- 身だしなみを整えることは1人でできますか
- 食事は1人でできますか
- 家の中での移動は1人でできますか
21の質問に先立ち、
- もの忘れが多いと感じますか?
- 1年前と比べて、もの忘れが増えたと感じますか?
という、2つの質問を行います。
これは、評価を円滑に行うために必要な「もの忘れの自覚症状」に関する導入質問です。
- 導入質問であるため、採点には含まれません。
主な評価項目
Dask-21では、以下のような機能について評価を行います。
- 近時記憶
- 遠隔記憶
- 時間・場所の見当識
- 問題解決
- 社会的判断力といった認知機能
- 買い物
- 交通機関の利用
- 金銭管理
- 電話の使用
- 食事の準備・摂取
- 服薬管理
- 入浴
- 着替え
- 排泄動作
- 移動能力
日常的な活動(ADL)から応用的な活動(IADL)まで、幅広く評価することができます。
採点方法
Dask-21は、
- 「面接形式」・・対象者をよく知る方、介護者に対して行う
- 「観察形式」・・対象者に対して行う
の2つの形式で行われます。
そして各項目について、1~4の4段階(4件法)で評価を行います。
4段階で評価する場合、段階2と3の間にポイントを置きます。
つまり、1および2を正常域、3および4を障害域として、大まかな目安を設定します。
実施時の注意点
実施上の注意点については、以下のとおりです。
- 面接ができない場合、検査者の判断で評価する
- 観察した状態と面接の内容が異なる場合、検査者の判断で評価する
- 確認していない場合でも、家族や介護者からみて「できそうか否か」を回答する
- 一人暮らしの場合、検査者が「できそうか否か」を評価する
また、Dask-21はスクリーニング検査ではないため、誰でも実施できるわけではありません。
使用する際には、事前に研修を受講し、認定を受ける必要がありますので注意してください。
検査の特徴
Dask-21の特徴は、以下のとおりです。
- 導入質問と21の質問項目で構成される
- 「認知機能」と「生活機能」について評価できる
- 短時間で評価できる
- 4件法により、障害の変動を評価しやすい
- 軽度認知症(MCI)を発見しやすい
- 臨床像を把握し、必要な支援の目安を付けやすい
Dask-21は、短時間で生活機能を総合的に評価することができます。
また、この検査には手段的日常生活活動(IADL)に関する項目が多く含まれています。
そのため、軽度認知症(MCI)の検出に優れている点については、押さえておきましょう。
結果の解釈について
Dask-21では、「得点が高いほど認知機能が低下している」ことを意味します。
以下、2つの場合における解釈の仕方について解説していきます。
合計点を用いる場合
合計点が31点以上の場合は、「認知症の可能性あり」と判定します。
認知機能障害と生活機能障害の結果から評価する場合
この場合には、以下の3つの基準が定められています。
- 合計点が31点以上で、遠隔記憶(項目3)、場所の見当識(項目5)、社会的判断力(項目9)、身体的ADLに関する項目(項目16~21)のいずれもが1点または2点の場合、「軽度認知症」の可能性ありと判定する。
- 合計点が31点以上で、遠隔記憶・場所の見当識・社会的判断力・身体的ADLに関する項目のいずれかが3点または4点の場合、「中等度認知症」の可能性ありと判定する。
- 合計点が31点以上で、遠隔記憶・場所の見当識・社会的判断力・身体的ADLに関する項目のいずれもが3点または4点の場合、「重症度認知症」の可能性ありと判定する。
さいごに
今回は、ADL機能に対する評価スケール「Dask-21」について解説しました。
リハビリテーション職員として関わる上で、日常生活活動(ADL)について評価を行うことは、極めて重要です。
使用する機会は少ない評価ではありますが、ADLについて正しく評価が行えるよう、今一度概要について整理しておくことをおススメします。
以下の記事では、ADL機能に対するその他の評価スケールについて、くわしく解説しています。
今回は以上です。最後までご覧いただき、ありがとうございました。