ADL機能に対する評価について勉強したいなぁ。
今回は「Katz Index」について解説していくよ!
リハビリテーション分野では、障害をかかえながら環境に適応することが大きな目標の1つとなります。
そのためには、生活課題と呼ばれる、
- 身辺活動
- 移動
- コミュニケーション
- 家事
- 地域生活
といった日常生活活動(ADL)を評価することは、重要な意味を持ちます。
今回は、こうしたADL機能に対する評価スケール「Katz Index」について解説していきます
ADL機能に対する評価と言えば、「FIM」「Barthel Index」が有名ですが、その他の評価スケールについても知っておいて損はありません!
- ADL機能に対する評価方法を知りたい!
- 『Katz Index』の概要について勉強したい!
- 臨床場面での実施を検討している!
本記事を一通り読めば、評価の概要について誰でも理解できるはずです。
上記に該当する方は、ぜひ参考にしていただき、今後の学習に役立ててください!
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Katz Index の基礎知識
Katz Index(カッツインデックス)は、アメリカで開発されたADL評価法です。
もともと老化や慢性疾患の治療、投薬治療の効果比較などに用いられていました。
主な検査項目
Katz Indexの検査項目は、以下のとおりです。
- 入浴
- 更衣
- トイレ
- 移動
- 排尿、排便コントロール
- 食事
項目 | 介助量 | 具体的な評価の視点 |
---|---|---|
入浴 | 自立 | 背中や障害のある手足のうち、 1か所だけ洗うための手助けがいる、 または完全に1人で入浴可能な場合。 |
介助 | 1か所以外にも洗えない所がある :浴槽の出入りが1人でできない。 | |
更衣 | 自立 | タンスや引出しから衣類を取り出して着る。 装具を身に着ける。 (靴ひもを結ぶことは除く) |
介助 | 全部または一部更衣動作が出来ない。 | |
トイレ | 自立 | 便器に近づき離れる、 衣類を操作する、 後始末する。 (夜間だけはベッドの傍で便器使用可。 自助具の使用可) |
介助 | いつでもベッドで便器使用または トイレの使用に介助が必要。 | |
移動 | 自立 | 自力でベッドに入り、ベッドから離れる 椅子に腰かけ、椅子から離れる。 (自助具の使用はかまわない) |
介助 | ベッドや椅子への移動が1つまたは それ以上出来ない。 | |
排泄コントロール | 自立 | 排尿・排便操作が完全に自分で出来る |
介助 | 完全または不完全な失禁状態: 浣腸、カテーテル、便器、 尿器使用の際、介助や管理・監視が必要 | |
食事 | 自立 | 食物を皿から取り、口に入れる: (あらかじめ食物を切る、 ほぐすといった準備は含まない) |
介助 | 上記の行為に介助が必要: 一部または全部の摂取行為ができない。 |
FIMと比べて評価項目が少ないね!
参考までに、その他のADL評価スケールであるFIMの評価項目は、①運動13項目、②認知5項目の計18項目あります。
Katz Indexは、より少ない項目で日常生活活動レベルについて評価を行います。
評価の視点について
Katz Indexでは、各項目で「自立」もしくは「介助」の2段階で評価を行います。
参考までに、FIMでは「完全自立」~「全介助」まで、介助の程度に応じて7段階で評価します。
「自立」「介助」の2択なら、
判断に迷わなくて済みそうだね!
- 「自立」⇒ 監視・指導・介助を必要としない状態のこと
- 患者が否定する時は、できそうに見えても「介助」と判定する
採点方法について
Katz Indexは、「自立」の判定数に応じて、A~Gの7段階で評価します。
段階 | 内容 |
---|---|
A | 食事、排尿・排便自制、移乗、トイレ、更衣および入浴において自立 |
B | 上記の1つを除いて全て自立 |
C | 入浴および1つを除いて全て自立 |
D | 入浴、更衣および1つを除いて全て自立 |
E | 入浴、更衣、トイレおよび1つを除いて全て自立 |
F | 入浴、更衣、トイレ、移乗および1つを除いて全て自立 |
G | 6つの機能全て介助を要する |
その他 | 2つ以上の機能で介助を要する。 (ただしC、D、EまたはFに分類できないもの) |
検査の特徴
Katz Indexの特徴は、以下のとおりです。
- 日常生活活動のうち、「しているADL」を評価する
- 「自立」「介助」の2段階で判定する
- 活動の難易度順が決められている
※「しているADL」=日常生活で実際に行っている動作能力
※「できるADL」 =リハビリや動作テスト等で行っている動作能力
「できるADL」=【その人の最大能力を発揮している状態】であり、日常的には行えていない活動が含まれます。
①:「しているADL」に対する評価スケール
Kats Indexは、「しているADL」に対する評価スケールです。
つまり、日常生活で実際に行っている行動能力について評価を行います。
「頑張ればできる活動」ではなく、「普段から行っている活動」だね!
②:「自立」「介助」の2段階で判定する
Katz Indexでは、「自立」「介助」の2段階で判定を行います。
「自立」とは、監視・指導・介助を必要としない状態のことです。
一方で、監視や指導が必要な場合は、「介助」と判定されます。
動作の遂行を拒否する場合は、遂行されない=「介助」と判定されるので注意しましょう。
「できそうに見える」としても、「介助」と判定するってことだよ!
③:活動の難易度順が決められている
Katz Indexでは、ADLの難易度があらかじめ決まっています。。
具体的には、
- 排泄動作
- 食事動作
- 入浴
- 更衣動作
- トイレ
- 移乗動作
このように1~6の順番で、難しいものとされています。
マイナスな点は2つ
Katz Indexにおけるマイナスな点は、以下の2点です。
- 典型的なADL障害パターン以外の解釈が難しい
- 評価の仕方が粗く、正確でない部分もある
活動の難易度順が決められており、評価項目も少ないことから、典型的な障害パターン以外の場合における解釈がやや難しいとされています。
また、「自立」「介助」の2択のため、評価がやや粗く正確ではない部分もあるため注意が必要です。
詳細に評価したい場合には「FIM」「Barthel Index」を使うといったように、使い分けることが重要です。
さいごに
今回は、ADL機能に対する評価スケール「Katz Index」について解説しました。
リハビリテーション職員として関わる上で、日常生活活動(ADL)について評価を行うことは、極めて重要です。
使用する機会は少ない評価ではありますが、ADLについて正しく評価が行えるよう、今一度概要について整理しておくことをおススメします。
以下の記事では、ADL機能に対するその他の評価スケールについて、くわしく解説しています。
今回は以上です。最後までご覧いただき、ありがとうございました。